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東日本旅客鉄道JP:9020
事業内容
東日本旅客鉄道(JR東日本)は、主に4つの事業セグメントを展開しています。まず、運輸事業では、鉄道を中心とした旅客運送を行っています。関東及び東北地方を中心に、1都16県にわたる広範なエリアで営業しており、在来線と新幹線を合わせた総営業キロは7,302.2kmに達します。また、旅行業や駅業務運営、鉄道車両の製造・メンテナンスなども手がけています。
流通・サービス事業では、小売・飲食業や卸売業、貨物自動車運送、広告代理業などを展開しています。これにより、生活サービスの提供を通じて地域社会に貢献しています。主な関連会社には、JR東日本クロスステーションやJR東日本商事などがあります。
不動産・ホテル事業では、ショッピングセンターやオフィスビルの運営、ホテル業、不動産の開発・販売を行っています。ルミネやアトレといったショッピングセンターの運営を通じて、地域の商業活動を支えています。また、JR東日本ビルディングや日本ホテルなどがこのセグメントに含まれます。
その他の事業としては、クレジットカード事業やIT・Suica事業、情報処理業などがあります。ビューカードやJR東日本メカトロニクスがこれに該当し、IT技術を活用したサービスの提供を行っています。また、発電事業や建設コンサルタント業も手がけており、多角的な事業展開を行っています。
経営方針
東日本旅客鉄道(JR東日本)は、経営ビジョン「変革 2027」を掲げ、未来の環境変化を先取りした経営を推進しています。このビジョンのもと、同社は「安全」を最優先とし、輸送サービス、生活サービス、IT・Suicaサービスの融合を通じて新たな価値を創造しています。鉄道を中心としたモビリティと、地域社会との接点を持つ生活ソリューションの二軸で経営基盤を構築しています。
同社は、ポストコロナの経済環境において、さらなる成長を目指しています。「変革 2027」のもとで培った「ヒト起点」の発想を進化させ、モビリティと生活ソリューションの二軸を活用し、新たなマーケットを創造することを目指しています。また、地域の社会課題に向き合い、利益成長を図りつつ、ステークホルダーへの還元を重視した「四方良しの経営」を推進しています。
2025年には新しいグループ経営ビジョンを発表予定で、事業運営体制の見直しを進めています。地域のニーズに密着した事業運営を目指し、36の事業本部体制に改正します。これにより、安全性の向上と高品質なサービスの提供を実現し、社員の成長を賃金に反映する制度改革も進めています。
数値目標として、2027年度に連結営業収益3兆2,760億円、連結営業利益4,100億円を掲げています。これに向け、グループ全体で目標達成に取り組んでいます。特にモビリティと生活ソリューションの分野での収益拡大を図り、持続可能な成長を目指しています。
「変革 2027」の実現に向け、同社は「安全」を最優先に、収益力向上、経営体質の強化、成長基盤の推進、ESG経営の実践に取り組んでいます。特に、技術革新やデジタル化を活用し、顧客ニーズに応じた新しい商品・サービスを提供することで、連結キャッシュ・フローの最大化を図っています。
ESG経営の一環として、同社は「ゼロカーボン・チャレンジ2050」を掲げ、CO2排出量の実質ゼロを目指しています。また、地方創生や共生社会の実現に向けた取り組みを進め、企業価値の向上を図っています。これらの戦略を通じて、地域社会に貢献し、持続可能な企業グループを目指しています。