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シーラホールディングスJP:8887
事業内容
シーラホールディングスは、不動産の開発から販売、建築、賃貸管理まで一貫して手がける企業です。主力は自社で企画・開発するマンション販売で、建築部門の自社施工を活かしたローコスト運営により価格競争力のある物件を提供しています。
同社の収益は、開発した物件の売却が主軸で、請負工事や注文住宅の施工収入、賃貸管理や仲介手数料も収入源になっています。顧客はマンション購入者や投資家、富裕層の相続対策を目的とする買主のほか、大手建設会社なども含まれ、都心の小型オフィスや投資用物件など高い利益率が見込める案件に注力しています。
事業は開発事業、建築事業、不動産販売事業、その他事業の四つに分かれており、開発では都心中心の物件を迅速に仕入れて販売しています。建築は型枠工事や住宅・マンションの設計・施工を担い、近年はグループ内で建築事業を子会社に集約して内製化と建設原価の抑制を進めています。その他は自社保有物件の管理や賃貸仲介・管理、売買仲介を行い、安定収入の確保に努めています。
経営方針
シーラホールディングスは、2025年6月1日のシーラテクノロジーズとの経営統合を踏まえ、2030年5月期までに総資産1,000億円、ROA4%、ROE10%、DOE4%を目指しています。成長の柱は生産性向上と徹底した原価管理による収益性強化にあり、短期的には不採算事業の整理や不要資産の売却でキャッシュフローを安定させること、長期的には賃貸などのストック型収益を拡充して安定的な成長基盤を築くことを掲げています。グループの組織体制最適化や人員の適正化、重複業務の集約といった具体的な合理化施策も併せて実行します。
重点投資分野は都市部を中心とした収益性の高い不動産開発と、賃貸用不動産の保有拡大、さらに不動産クラウドファンディング事業です。同社は自社での設計・施工体制を維持・内製化することで建築原価を抑え、価格競争力を確保しています。差別化要因としては、旧クミカが持つ地域密着の取引先ネットワークと、シーラ側のクラウドファンディングやデータを活用した仕入れ・販売力を組み合わせる点が挙げられ、これにより主要な取引先や投資家層に対する優位性を高めます。
新市場開拓や事業拡大では、不動産投資クラウドファンディング「利回りくん」を通じた資金調達チャネルの拡大と、個人投資家や富裕層向けの投資商品ラインナップの強化を進めます。同社は都心の小型オフィスや投資用物件など高利回り案件の迅速な仕入れ体制を整備し、シーラグループの販売チャネルを活用して販売スピードを高めることで短期的な売上拡大を図ります。また、収益性の低い事業を整理して経営資源を重点分野に集中させることで、事業機会の拡大と収益構造の強化を目指しています。
技術革新への取り組みとしては、人工知能(AI)やビッグデータを活用した仕入れ評価・販売戦略の高度化を具体策として打ち出しています。データ分析により需要予測や価格設定を精緻化し、クラウドプラットフォームによる投資家との接点強化で調達力を高めます。さらに、情報集約による定期的なリスクレビューやデジタル化された内部通報・コンプライアンス研修を導入し、透明性と信頼性を高めながら開発スピードと収益性の向上を図る方針です。