クロスフォーJP:7810

時価総額
¥25.7億
PER
81.4倍
ジュエリー事業の有力企業。特許技術ダンシングストーンや片手着脱のEXL-LOCK、テニスチェーンを展開。2024年12月16日設立のインド子会社(資本金3,500万ルピー)、前期にインドネシア大手の中空チェーン独占販売を開始。日本68.7%中心にタイ・インド・中国へ展開。

事業内容

株式会社クロスフォーはジュエリーに特化した企業で、独自技術を活かしたアクセサリーの設計・製造・販売を行っている。同社の主力は、ダイヤに穴を開けずに揺らして輝かせる特許技術「Dancing Stone」、片手で着脱できる二重ロック金具「EXL-LOCK」、自社で大量生産する「テニスチェーン」などで、国内外向けに製品と部品を供給している。

主要な顧客は国内の宝飾品卸・小売業者やブランドメーカーで、国内向けはOEM受注を中心に各社ブランド製品を製造している。同社は国内売上が全体の約7割を占める一方、海外向けは「Dancing Stone」の量産可能なパーツを大口で販売し、取引先に製造ノウハウを提供して品質管理を行っている。

事業は単一のジュエリー事業セグメントで、国内向け商品の製造販売と海外向けパーツ販売を一体で展開している。製造は多くを外注に委託するが、「テニスチェーン」は自社生産体制を整え、合成ダイヤ販売を担う子会社や香港・中国・タイ・インドの拠点が顧客開拓や外注管理を担っている。同社は各国で特許や意匠を取得して差別化を図り、展示会や代理店を通じて販路拡大に努めている。

経営方針

同社は成長戦略の中核に「収益性の確保と海外展開の拡大」を据えています。国内売上が全体の約7割を占める現状から、海外市場への経営資源投入を優先し、DtoC(顧客直販)チャネルの拡大やBtoBの深耕を通じて売上構成の多様化を図ります。経営指標として営業利益率を重視し、内部留保による安定した財務基盤の確保と、選択的な設備投資や費用対効果の見直しで利益率改善を目指している点が特徴です。加えて、同社は2025年6月にRJCのCOP認証を取得しており、サステナビリティ面の取り組みも成長戦略の重要な柱としています。

重点投資分野は海外販売の拡大、生産効率への投資、DtoC事業の強化、そして技術開発です。差別化戦略としては、特許技術「Dancing Stone」や「Single Dancing Stone」、「EXL-LOCK」など独自の製品設計を軸に、品質管理体制の提供や大量供給可能な部品販売で取引先との関係を築いています。製造面では「テニスチェーン」の自社生産を維持しつつ、外注管理を強化して生産効率を高め、適正な価値を適正価格で届けるために各部門の役割と責任を明確化する取り組みを進めています。

新市場開拓や事業拡大の計画では、インドや東南アジアを中心に代理店網や現地エージェントの獲得を加速し、香港・中国・タイ・インドの拠点を活用して販路拡大を進めます。既存のOEM顧客向け供給に加え、DtoCチャネルでブランド価値を直接高めることで収益モデルを多様化する方針です。新規事業創出については社内リソースだけでなく外部パートナーとの事業提携やライセンス提供などを通じて成長分野に参入し、模造品対策や法規制リスクへの対応も含めて市場拡大を図っています。

技術革新への取り組みとしては、従来の職人技に依存する製造プロセスの機械化・自動化を進め、貴金属使用量の削減や大量生産の実現を目指しています。さらなる特許技術の開発を推進し、安定収益を生む知的財産ポートフォリオを構築するために研究開発体制を整備します。また、デジタル化の一環としてAI人材育成や業務システムの活用、BtoB・DtoCサイトの強化によるWEB販売比率の向上を図り、全社的な生産性向上と利益率改善に結びつけていきます。