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シー・エス・ランバーJP:7808
事業内容
シー・エス・ランバーは、木造住宅向けの木材加工と建築、ならびに不動産賃貸を主軸とする企業です。同社は木材のプレカット加工やツーバイフォー工法向けパネルの製造・販売を主力に、部材の供給から建て方工事まで一貫して手がけています。
同社の主要顧客は住宅メーカーや工務店といった事業者が中心で、住宅の施主や賃貸の入居者も顧客に含まれます。収益はプレカット・資材販売と建築請負の工事受注が中心で、不動産賃貸や戸建分譲が継続的な賃料収入や販売収入で業績を支えます。
事業は大きくプレカット事業、建築請負事業、不動産賃貸事業、その他の戸建開発・分譲の四つに分かれます。グループ内には物流、製材、CAD入力などの機能会社があり、加工から配送、現場施工までを連携させることで効率化と品質安定を図っています。
経営方針
同社は「シー・エス・ランバーVISION 2032」と「中期経営計画2028」を掲げ、プレカット事業を基盤にしつつ収益源を多様化して持続的な成長を目指しています。中長期の目標として経常利益率12.0%、自己資本利益率(ROE)10.0%以上の確保を目標に掲げており、短期では2026年5月期の業績目標を売上高22,100百万円、営業利益1,800百万円、経常利益1,700百万円、当期純利益1,190百万円としています。住宅着工戸数の減少や原材料・エネルギー価格の変動といった外部リスクを踏まえ、既存事業の深堀りと新たなビジネスモデル構築で安定収益化を図る方針です。
重点投資分野としては、プレカット加工機の刷新や無人化ライン導入など生産設備への投資を進め、原価低減と歩留まり改善でコスト競争力を高めることに注力しています。サイディング(外壁材)のプレカットを早期に軌道に乗せ、構造材プレカット営業と連携したトータル提案(材と工事を一体化した提案)で差別化を図る計画です。加えてドライバーの採用・育成や配送効率化、製販連携の強化により付加価値を最大化し、競合に対する提案力で受注拡大を狙っています。
新市場開拓では都市部を中心とした施工エリア拡大と、大型木造施設の受注強化を目指しています。脱炭素や木材利用拡大を追い風に、アパートや保育所、保育所開設用地の取得など不動産賃貸を安定収入源として積極取得し、将来的には分譲用地への転用も視野に入れています。実際に2026年4月開所予定の保育所2箇所の土地を取得するなど、賃貸・販売を組み合わせた事業間シナジーによる事業拡大を進めています。
同社は技術革新と人材育成を両輪で進めることで競争力を高めようとしています。具体的には生産の無人化やIT・DXを活用した施工管理・受発注・配送の効率化、CAD入力などグループ内のシステム連携強化を推進し、人的資本として大工職人やドライバーの多能工化・育成、女性活躍や次世代幹部の教育体制を整備します。また、投資を継続しつつ借入金の返済を進め財務体質を改善する方針で、これら施策を通じて長期的な企業価値向上を目指しています。