平山ホールディングスJP:7781

時価総額
¥99.9億
PER
10.6倍
インソーシング・製造派遣・技術者派遣の有力企業、連結子会社12社・非連結子会社3社体制。現場改善コンサルタントと連携した製造請負や設計開発派遣を展開。国内メーカー向けに派遣とコンサルを提供、タイに2社・ベトナムに1社の現地法人で海外展開。

事業内容

平山ホールディングスは、メーカーの工場内での製造請負や製造派遣、技術者派遣を中核に、人員供給と現場改善を組み合わせたサービスを提供しています。同社は現場改善の専門家と連携し、生産性向上やコスト削減、安定した雇用の実現を目指しています。

主要な顧客は医療機器・医薬品、輸送機器、住宅設備、食品関連、航空・自動車・鉄道、家電・精密機器などの国内外のメーカーです。同社の収益は主に製造請負契約に基づく成果報酬と派遣料、さらに技術者派遣やコンサルティング・教育などの受託収入で成り立っています。

事業はおおむね(1)製造請負・製造派遣を中心とするインハウス支援、(2)設計・評価・解析などの技術者派遣、(3)海外での製造派遣、(4)コンサルティングや研修、職業紹介、福祉・介護などのその他事業に分かれています。同社はこれらを連結子会社を通じて国内外で展開し、現場改善を柱にしたサービスで顧客の生産現場の実効性向上を図っています。

経営方針

成長戦略の概要として、同社は2030年の長期ビジョン「VISION HIRAYAMA 2030」を掲げ、2025年〜2027年を「ファーストステージ」と位置づけて変革と成長を進めています。中期目標としては、2027年に売上高460億円、営業利益22億円、営業利益率4.8%を目標とし、2030年に売上高600億円、営業利益36億円、営業利益率6.0%を目指しています。さらにROEは2027年で20%超、2030年で24%超を目標とし、配当方針は総還元性向50%以内、配当性向40%超を想定するなど、収益性と株主還元の両面で数値目標を明確にしています。

重点投資分野と差別化戦略では、同社は医療機器・自動車関連を含むインソーシング(請負)・製造派遣事業と、技術者派遣や現場改善コンサルティングに経営資源を集中させています。特に半導体生産や設備保全分野、フィールドエンジニア育成に力を入れ、社内の研修センター整備や新設で高付加価値の人材を輩出することにより、単なる人手供給ではない「現場責任を持つ請負」モデルで差別化を図っています。採用では地方テレビCMやSNS、提携による採用ネットワークの拡充、キャリアカウンセラーの配置で定着率を高める具体策を打ち出しており、M&Aの判断には投下資本利益率(ROIC)を重視する方針です。

新市場開拓や事業拡大の計画として、同社は国内での請負化拡大と既存取引先の契約範囲拡大を進める一方、ASEANを中心とした海外展開の収益性向上にも取り組んでいます。製造請負・派遣市場は2026年に約2.6兆円、技術者派遣は約1.52兆円と予測される成長市場を前提に、スマートファクトリー化支援や半導体設備の保守・保全といった高付加価値領域、バイオ・化学分野など女性雇用の拡大に繋がる新領域へ参入を図ります。加えて外国人材の採用・管理サポート事業を拡充し、特定技能や技能実習に加え国内での受け入れ・配置サービスを広げる計画です。

技術革新への取り組みでは、同社は人工知能(AI)を活用したサービス拡大や自社開発の作業適正化システム導入により生産性と品質を改善することを目指しています。社内DXとしてグループ共通のIT基盤整備や情報システム人材の拡充、ロボットによる事務自動化(RPA)導入で間接業務の効率化を進め、現場向けにはスマートファクトリーの共同開発や、エンジニアがハードウエアに組み込むソフト開発を学べる研修環境の整備を進めています。こうしたデジタル投資により、少ない設備投資で高い付加価値を生む事業体制の確立を目指しています。