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パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスJP:7532
事業内容
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは純粋持株会社で、国内外で小売チェーンや関連の事業会社を傘下にもつグループを統括しています。主力はディスカウントストアや総合小売店の運営で、国内の「ドン・キホーテ」系列や「アピタ/ピアゴ」などの店舗展開に加え、アジアや北米での小売・スーパーマーケット事業も手がけています。
同社の主要な顧客は一般消費者で、店舗での物販が収益の大半を占めています。加えてクレジットカードや電子マネー、保険代理店などの金融系事業、惣菜や弁当の製造販売、物件賃貸やアウトソーシングといったサービス収入が収益の補完となっています。
同社は事業を国内事業、北米事業、アジア事業などのセグメントで分けており、国内ではディスカウントストア(ドン・キホーテ系列)や総合小売(アピタ等)、食品製造(寿司・惣菜)、金融サービス(クレジット、電子マネー、保険代理)などを展開しています。北米ではディスカウント店やスーパーマーケット、アジアでは「DON DON DONKI」を中核にジャパンブランドを打ち出した店舗運営を行っています。
経営方針
同社は長期経営計画「Double Impact 2035」を掲げ、2035年6月期に売上高4兆2,000億円、営業利益3,300億円を目指しています。国内事業を成長の主軸と位置づけ、投資効率の高い案件に経営資源を重点配分することで中長期的な売上・利益の継続成長を図る方針です。収益力強化と持続的な企業価値向上を達成するため、ガバナンス強化による「守りの経営」と、現場主義に基づく積極的な営業施策による「攻めの経営」を両立させようとしています。
同社は差別化の核として「便利さ(CV)・安さ(D)・楽しさ(A)」を重視し、これを通じて他社との差別化を図っています。具体的には既存店での来店頻度と客単価を高めるためのパーソナライズ施策を強化し、食品調達力を有するグループ資源を生かした「食品強化型ドンキ」を開発するなど、商品ミックスと価格競争力の両立を進めています。また、投資は収益性の高い出店や業態開発に重点を置き、効率の良い資本配分を実行しています。
同社は国内でまだ出店余地がある地域を埋めることでシェア拡大を図るとともに、訪日外国人を取り込むインバウンド戦略で「ドンキがあるから日本に行く」というブランドポジションの確立を目指しています。買い物だけでなく日本文化や来店時の楽しさを提供する観光地型小売りの創出や、狭小商圏向けの新業態で地域の食品ニーズに応える計画が進んでいます。海外については安定した運営基盤とビジネスモデルの構築を優先し、必要に応じて買収・統合(M&A)も戦略の一つとして活用するとしています。
同社は技術革新を通じた業務効率化と顧客体験の向上にも注力しています。具体的には顧客データを活用した販促の個別化や来店誘引の高度化、電子マネーやクレジットなど決済サービスの拡充、鮮度管理のための物流・コールドチェーン投資、在庫・発注の自動化による店舗運営の効率化を進めています。これらの取り組みで購買頻度や客単価の向上を図り、目標達成に向けた収益基盤の強化を目指しています。