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小津産業JP:7487
事業内容
小津産業株式会社は不織布製品の加工・販売を主たる事業としています。電子機器向け、化粧品向け、医療向け、産業資材向け、除染用など幅広い用途の不織布を扱い、連結子会社と連携して加工や製造を行っています。
主要顧客は電子・化粧品・医療機器メーカーや産業用途の企業、農業分野の事業者などで、販売は製造・加工子会社や中国の販売拠点、流通業者を通じて行っています。同社の売上は不織布関連が中心で、その他に不動産賃貸や過酢酸製剤の販売、持分法適用会社による家庭紙・日用雑貨の販売も収益源になっています。
事業は大きく不織布事業とその他事業に分かれます。不織布事業では用途別に電子機器、化粧品、医療、産業資材、除染用といった製品ラインを有し、加工・製造・海外販売を連結子会社が担っています。その他事業では不動産賃貸や過酢酸製剤の輸入・販売、関連会社を通じた家庭紙・日用雑貨の卸売りなどを展開しています。
経営方針
同社は「長期ビジョン:OZU Innovation2034」に基づき、連結売上高150億円(現状の1.5倍)を中長期目標に掲げています。これに向けた第一次中期経営計画(2024年6月〜2027年5月)では、足元の土台づくりを優先し、期間中の数値目標として売上高105億円、営業利益3億円を設定しています。具体的には既存事業の深耕で30億円、新規事業で20億円の拡大を目指し、人材確保や市場調査、研究開発費に戦略的な予算配分を行うことによって成長の実現を図る計画です。
同社は重点投資分野として、産業分野の製造現場向け機構部品・ユニット品、医療・美容分野の衛生材料やフェムケア・ウェルネスケア製品、環境対策製品などを挙げています。差別化は単なる商社機能に留まらず「自ら製品を企画・開発・生産する機能を備えた商社」への転換で図っており、製造子会社である株式会社ディプロの生産力を活用して高機能不織布やウェット製品、マスクなどのラインナップを拡充し、品質向上と原価低減を進めています。
同社は新市場開拓と事業拡大に向け、既存顧客の深耕に加え農漁業、予防医療、在宅医療、防災、先端技術、環境対策といった領域を探索しています。営業部の再編(2024年6月実施)で役割を明確化し、国内外の在外日系企業へのアプローチやグループ内連携を強化するとともに、提携・買収を積極的に活用して短期間での事業拡大を図る方針です。具体的施策としては、除染や油吸着材の拡販、過酢酸製剤の食品・畜産向け販売強化、日本プラントシーダーによる農業向け製品の拡充などが挙げられます。
同社は技術革新を成長の要に位置づけ、顧客の顕在的・潜在的ニーズを収集して用途や機能の開発に結び付ける取り組みを強めています。研究開発費の投入や製造機能の拡充によって高付加価値素材の開発や生産性改善に取り組み、製品企画から生産まで一貫して行う能力を高めることで競争優位を確立しようとしています。これらは外部との連携やM&Aによる技術導入も視野に入れた現実的な施策であり、短期的な業績寄与は限定的でも中長期での収益基盤強化を狙っています。