岡谷鋼機JP:7485

時価総額
PER
鉄鋼、情報・電機、産業資材、生活産業向け商品の売買・製造等を手掛ける商社の有力企業。鉄鋼素材や半導体部品、工作機械、住宅資材など多岐にわたる製品群を展開。連結子会社78社、持分法適用非連結子会社8社、持分法適用関連会社14社の合計100社体制。国内、米国、東南アジアなどで展開。

事業内容

岡谷鋼機は商社を中核に、鉄鋼や情報・電機、産業資材、生活産業といった多様な商品を国内外で売買・製造し供給しています。同社は素材の調達から加工・流通まで一貫して手がけ、産業向けの部材や装置を安定的に届けることを主力としています。

顧客は自動車や機械、電子、建設、半導体など幅広い業種の企業で、同社は売買による流通マージンに加え、加工・販売を行う子会社の事業利益で収益を上げています。同社は国内ネットワークに加え米国や東南アジアなどの現地法人を通じて海外需要にも対応しており、取引先の景気動向に影響を受けやすい構造です。

事業は鉄鋼、情報・電機、産業資材、生活産業の四つのセグメントに分かれており、鉄鋼部門では鋼板や棒鋼、鋼管などを扱っています。情報・電機では電子部材や希土類、半導体関連製品、産業資材では工作機械や工具、工場向け自動化設備や半導体装置を、生活産業では配管資材や住設機器、物流・不動産・食品流通などを手がけています。

経営方針

岡谷鋼機は中期経営計画「GIC 2025」を掲げ、2025年度を最終年度として連結売上高1兆円以上、親会社株主に帰属する当期純利益200億円以上を目標としています。同社は「ものつくりに貢献するグローバル最適調達パートナー」を目指しており、国内外の拠点拡充や事業の高度化によって売上規模と収益力の両面で成長を図る方針です。地域ごとの需要変動やコスト上昇といった外部環境のリスクを踏まえ、収益構造を流通マージン依存から加工・サービス収益へと転換することを重視しています。

重点投資分野として同社は情報インフラや環境対応製品、工場の自動化・省人化装置、そして産業向けの部材加工に注力しています。差別化の核は素材調達から加工・設置・保守に至る一貫した提供力であり、これを強化するために現地法人の拡充や倉庫・加工拠点の整備、品質管理体制の強化を進めています。加えて長期供給契約や技術支援サービスを組み合わせることで、単なる売買ではなく顧客にとっての「使える供給」を提供することを狙っています。

新市場開拓や事業拡大では、米国や東南アジアなどでの現地拠点を基点に顧客接点を広げる計画です。現地ニーズに合わせて環境関連やインフラ向けの製品・サービスを拡充し、半導体や情報通信分野など成長分野のサプライチェーンに深く入り込むための提携・M&Aも検討しています。また既存の四つのセグメント(鉄鋼、情報・電機、産業資材、生活産業)間でのシナジーを高め、景気変動に強いポートフォリオへと再編することを目指しています。

技術革新面ではデジタル技術(DX)を活用した業務改革を推進しています。同社は受発注・在庫・物流をリアルタイムで最適化するシステム導入や、倉庫の自動化・IoTによる稼働監視を進めることで調達リードタイムの短縮と在庫効率の向上を図っています。さらに顧客と共同での部材設計や加工技術の高度化に取り組み、加工付加価値の創出とサービス化によって競争優位を確立することを目指しています。内部統制やコンプライアンスの強化にも注力し、持続的な企業価値向上を目指しています。