ダイワ通信JP:7116

時価総額
¥21.2億
PER
12倍
防犯カメラ販売・施工と携帯電話契約取次の2セグメントを持つ有力企業。AI・IoT搭載の防犯カメラシステムとワンストップ施工・保守サービスを展開。ソフトバンクから販売委託を受ける1次代理店。連結子会社2社体制で国内中心の展開。

事業内容

ダイワ通信株式会社は、防犯カメラの企画・販売とシステムの設計・施工、さらに携帯電話などの通信サービスの契約取次と端末販売を主力とする企業です。同社は防犯カメラの販売から設置・保守までワンストップで行い、通信分野では通信事業者の代理店として個人・法人向けの窓口業務を展開しています。

主要な顧客はショッピングモールや小売店、工場・倉庫、学校や公共施設など多様で、事務機器メーカーや警備会社の販路も活用しています。同社は携帯契約の取次による手数料収入で安定的な収益を確保し、その資金を防犯カメラ事業の成長投資に振り向けています。

事業は大きく防犯カメラ関連とモバイルの二つのセグメントに分かれています。防犯側ではマルチベンダー体制や録画機との接続ノウハウを生かし、AIやIoTを取り入れた商品企画と施工・保守を行い、連結子会社や認定パートナー制度で販売網を広げています。モバイル側は一次代理店として直営店舗や法人向けの販売・契約取次を行い、契約成立に応じた手数料が主な収益源になっています。

経営方針

同社は持続的な成長と中長期的な企業価値の創出を目指しています。経営方針としてはセキュリティ事業を成長の牽引役、モバイル事業を安定基盤と位置付け、売上高成長率と営業利益成長率を主要指標に管理しています。過年度の会計不備を受けて2025年9月4日付で過年度決算の訂正報告を提出するとともに、再発防止と株主還元のバランスをとりながら事業投資を優先的に行う方針を明確化しており、同社は信頼回復と着実な成長の両立を目指しています。

同社はセキュリティ分野への重点投資を進めています。具体的には人工知能を用いた画像解析やディープラーニングの実証実験を重ね、現場で使える精度の高い解析モデルを蓄積すること、並びに自社ブランド「D’SS」の商品拡充による付加価値向上を図ることを掲げています。調達面では仕入スケジュールの見直しと合理的な在庫管理により原価上昇の抑制を図り、ワンストップの設計・施工・保守体制とマルチベンダー対応の技術ノウハウを活かして競合との差別化を図ることを同社は目指しています。

同社は新市場の開拓と販売網の拡大を戦略の柱としています。直営店舗の増設や営業拠点の強化、認定パートナー制度や連結子会社を通じた販路拡大により、商業施設、小売、工場・倉庫、学校・公共施設など多様な顧客層への浸透を進めます。具体策としては法人向けのソリューション提案を強化し、来店の予約制導入で効率的な人員配置を実現することで収益性を高め、さらにセキュリティの総合ソリューションを通じて公共案件や大規模案件の獲得を目指しています。

同社は技術革新を通じた事業競争力の強化に注力しています。遠隔一括管理やデータ活用による業務効率化、現場での実用性を重視したAIシステムの企画・開発を進め、商品倉庫兼実験・研究施設の建設により実機での試験と迅速な製品改良を実現する計画です。また、店舗業務のデジタル化(業務のIT化)を推進して顧客接点の品質向上と人時生産性の向上を図るとともに、内部監査やコンプライアンス体制の強化を通じて技術・品質面での信頼回復を目指しています。