ステムセル研究所JP:7096

時価総額
¥78.3億
PER
24.3倍
再生医療・細胞治療を目的としたさい帯血やさい帯の細胞バンク事業、再生医療等製品の開発、再生医療・不妊治療・出産・子育て領域での事業開発。

事業内容

ステムセル研究所は、再生医療や細胞治療を目的とした「さい帯血」や「さい帯」などの周産期組織由来の細胞バンク事業を展開しています。同社は、これらの細胞を利用した新たな治療法や再生医療製品の開発を行い、再生医療、不妊治療、出産、子育てなどの領域での事業開発や投資を進めています。

ステムセル研究所の事業は「細胞バンク事業」の単一セグメントで構成されています。具体的には、さい帯血を保管する「さい帯血バンク」事業を展開しており、顧客(妊婦など)と「さい帯血分離保管委託契約」を締結し、さい帯血を採取、分離、保管しています。保管されたさい帯血は、将来の治療に備えて超低温で長期保管されます。

さい帯血には、血液を造る「造血幹細胞」や、神経、軟骨、心筋細胞などに分化する「間葉系細胞」が含まれています。これらの細胞は、がん化のリスクが少なく、安全に使用できるため、脳性麻痺や自閉症スペクトラム障害などの治療に利用される可能性があります。ステムセル研究所は、これらの細胞を用いた臨床研究を進めています。

ステムセル研究所は、東京と横浜に細胞処理センターを設置し、さい帯血の分離・抽出・調製を行っています。これらの施設は、再生医療等安全性確保法に基づく許可を受けており、ISO9001とAABBの認証を取得しています。また、さい帯(へその緒)組織保管サービスも提供しています。

同社の売上は、「技術料」、「保管料」、「その他」の3つの要素から構成されています。技術料は細胞分離や処理にかかる費用、保管料は細胞の長期保管にかかる費用、その他は契約更新時の手数料などです。ステムセル研究所は、これらの事業を通じて、再生医療の発展に貢献しています。

経営方針

ステムセル研究所は、「あたらしい命に、あたらしい医療の選択肢を。」をスローガンに掲げ、再生医療と細胞治療の分野で革新的な成長を目指しています。産婦人科施設との強固なネットワークを活用し、さい帯やさい帯血を基にした細胞バンク事業を展開し、新たな治療法や製品の開発に注力しています。

同社は、年間保管検体数の増加を目指し、事業規模の拡大を図っています。具体的には、新保管プラン「HOPECELL」の普及を進め、リアルとオンラインの両チャネルを活用したマーケティング施策を強化しています。また、東南アジア市場への進出を計画し、シンガポールを拠点に収益基盤の構築を推進しています。

さい帯血を用いた既存研究の深化に加え、再生医療や細胞治療に取り組む医療機関と連携し、新たな投与スキームの検討を進めています。さらに、関連する事業領域への投資拡大やM&Aを通じて、将来性のある分野への進出を図っています。

ステムセル研究所は、再生医療分野の発展に伴い、さい帯血の保管ニーズが高まる中、国内外での臨床研究を推進しています。さい帯由来の間葉系細胞や幹細胞培養上製液を用いた医療開発にも注力し、保管サービスの需要拡大を見据えています。

同社は、産科施設でのリアルマーケティングやオンライン広告の最適化を通じて、資料請求数や契約数の増加を図っています。また、シンガポール市場への参入準備を進め、SEA主要国への段階的な進出を計画しています。再生医療サポートプログラムの開始により、保管細胞の使用機会の拡大を目指しています。