ステムセル研究所JP:7096

時価総額
¥186.6億
PER
66.5倍
再生医療・細胞治療に特化し、さい帯血やさい帯由来の細胞バンク事業、これらの細胞を用いた治療法や製品の開発、不妊治療や子育て支援などの事業展開を行う。

沿革

1999年8月

「さい帯血」(注1)の分離・保管を行う細胞バンクを目的として、東京都港区に株式会社ステムセル研究所設立

1999年9月

当社初のさい帯血を保管

2002年1月

大阪府吹田市に近畿地区の拠点として大阪オフィスを開設

2002年11月

福岡県大野城市に九州地区の拠点として福岡オフィスを開設

2003年6月

愛知県名古屋市中区に東海地区の拠点として名古屋オフィスを開設

2004年5月

検体数の増加に伴い本社並びに細胞処理センターを現在の本社所在地(東京都港区)に移転

2007年5月

保管能力の増強を目的に細胞保管センターを神奈川県横浜市緑区へ移設

2008年3月

兵庫県神戸市中央区において当社保管のさい帯血が、白血病の移植治療に利用される

2009年4月

米国デューク大学で当社保管のさい帯血が脳神経疾患への再生医療に利用される

2011年4月

東京都港区の細胞処理センターにて、ISO9001を取得(注2)

2013年9月

株式会社日本トリム(東証一部、現 プライム)が当社株式の50.1%を取得

2016年2月

東京都港区の細胞処理センターにて「再生医療等安全性確保法」に基づく、特定細胞加工物製造許可を取得

2016年7月

品質管理向上のため、アメリカさい帯血協会(CBA)に加盟

2017年4月

高知大学医学部附属病院が実施する「小児脳性麻痺等に対する再生医療提供計画」において、特定細胞加工物製造委託契約を締結

2017年9月

厚生労働省健康局へ「臍帯血取扱事業の届出」を提出

2018年9月

東京大学医科学研究所と「臍帯の臨床応用に向けた技術開発と保管体制構築」に関する共同研究を開始

2019年7月

American Association of Blood Banks(AABB)認証取得(注3)

2019年12月

東京都港区に管理本部及び総合企画本部の拠点として虎ノ門オフィスを開設

2020年9月

東京大学医科学研究所及び東京大学医学部附属病院と自家さい帯由来細胞を用いた「周産期付属物由来細胞の臨床応用に向けた技術開発とバンキング体制構築」と、「自家臍帯由来細胞を用いたティッシュエンジニアリングの研究開発」に関する共同研究契約を締結

2020年10月

高知大学医学部附属病院が実施する「小児脳性麻痺など脳障害に対する同胞間臍帯血単核球細胞輸血」及び「小児脳性麻痺など脳障害に対する同胞間臍帯血有核細胞輸血」の臨床研究において、特定細胞加工物製造委託契約を締結

2020年10月

大阪大学大学院医学系研究科と他家細胞を用いた「臍帯組織由来幹細胞と半月板修復材を用いた新規半月板再生医療の開発研究」に関する共同研究契約を締結(注4)

2020年11月

大阪市立大学(現 大阪公立大学)を中心とする研究グループによる「低酸素性虚血性脳症(HIE)に対する自己臍帯血治療」の第Ⅱ相多施設共同臨床研究において、特定細胞加工物(自己臍帯血細胞調整液)の製造業務委託契約を締結

2020年11月

慶應義塾大学医学部と「ヒト羊水幹細胞による周産期脳障害の細胞治療」に関する共同研究契約を締結

2021年3月

検体数の増加及び新たなサービスの開始に向け、神奈川県横浜市緑区の細胞保管センターの施設内に新たな細胞処理センター(横浜CPC)を開設

2021年3月

神奈川県横浜市緑区の細胞処理センターにて「再生医療等安全性確保法」に基づく、特定細胞加工物製造許可を取得

2021年4月

「さい帯(へその緒)組織保管サービス」の提供を開始

2021年6月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2021年6月

保管能力の増強を目的に細胞保管センターを神奈川県横浜市緑区に新設

2021年7月

一般社団法人 新経済連盟 (新経連)に加盟

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所グロース市場へ移行

2023年5月

東京都港区虎ノ門に本社移転

事業内容

ステムセル研究所は、再生医療や細胞治療を目的とした事業を展開しています。主な事業内容としては、周産期組織由来の細胞、特に「さい帯血」や「さい帯」から得られる細胞を利用した細胞バンク事業、これらの細胞を用いた新たな治療法や再生医療製品の開発、さらにはこれらの事業基盤を活用した再生医療、不妊治療、出産、子育て関連の事業開発や投資などを行っています。

同社は、さい帯血バンクにおいて、公的さい帯血バンクと民間さい帯血バンクの二つの形態で事業を展開。公的さい帯血バンクでは、無償で提供されたさい帯血を保管し、白血病などの疾患治療に必要な患者に提供しています。一方、民間さい帯血バンクでは、将来の治療に備えて本人や家族が有償でさい帯血を保管するサービスを提供しています。

また、ステムセル研究所は、さい帯血に含まれる幹細胞の分離・抽出・調製を行うための細胞処理センターを東京都港区及び横浜市緑区に設置し、これらの細胞を超低温下で長期保管するための細胞保管センターを横浜市緑区に有しています。さらに、2021年4月からは「さい帯(へその緒)組織保管サービス」も開始しており、さい帯血だけでなくさい帯組織の保管サービスも提供しています。

同社の事業は、細胞バンク事業を中心に展開しており、売上は技術料、保管料、その他の3つのカテゴリーから構成されています。技術料は細胞分離や処理に必要な料金、保管料は細胞の長期保管に関する料金、その他には契約更新時の手数料などが含まれます。

経営方針

ステムセル研究所は、再生医療の最前線で活動する企業として、細胞バンク事業を核とした成長戦略を推進しています。同社は、「あたらしい命に、あたらしい医療の選択肢を。」というコーポレートスローガンのもと、周産期の組織に由来する幹細胞の蓄積・技術開発・サービス向上に注力しています。特に、さい帯血やさい帯から得られる細胞を利用した細胞バンク事業において、新しい医療の提供を目指しています。

中長期的な経営戦略として、ステムセル研究所は三つの重点領域に焦点を当てています。第一に、さい帯血等の周産期組織由来細胞の採取・保管事業の拡大を目指し、医療機関・研究機関との協力を深めています。第二に、保管された幹細胞を使用して中枢神経系疾患等に対する再生医療・細胞治療の臨床研究を推進し、利用者拡大を図っています。第三に、産婦人科へのネットワークを活用し、妊婦及びその家族向けの新しいサービス・製品の開発に取り組んでいます。

経営環境の変化に対応するため、ステムセル研究所は、さい帯血の臨床研究推進や、さい帯由来間葉系細胞の研究開発に力を入れています。また、事業上及び財務上の課題に対処するため、細胞処理・保管能力の増強、人材の増強・組織の強化、デジタル化による業務効率化、ESG推進とガバナンス強化に注力しています。これらの戦略を通じて、ステムセル研究所は再生医療分野でのリーダーシップを確立し、持続的な成長を目指しています。