ユーピーアールJP:7065

時価総額
¥60.5億
PER
20.2倍
パレット等物流機器のレンタル・販売の有力企業。スマートパレットや追跡端末「なんつい」「ワールドキーパー」、アシストスーツなどの追跡ソリューションを展開。国内10の営業所と約200か所のデポ、保有枚数約528万枚(2025年11月26日現在)、シンガポール・タイ・マレーシア・ベトナムで展開。

事業内容

ユーピーアールはパレットなどの物流機器のレンタルと販売を主力とする会社です。同社は木製・プラスチック・金属製のパレットやネスティングラック、カゴ車などを国内の営業所と約200か所のデポを通じて保有・貸出しており、レンタル用機器は約528万枚に達しています。

主要顧客は倉庫業や運輸業、製造業(自動車、電子機器、食品、農産・水産など)を中心とした日系および現地企業で、保管用途や輸送用途で利用されています。同社の収益は安定したレンタル収入と機器販売が柱で、複数ユーザーでパレットを循環利用するパレットプールなどによりレンタル収入を強化しています。

事業は大きく物流事業とソリューション事業に分かれており、物流事業がレンタル・販売の中核です。ソリューション事業では、GPSやアクティブRFIDを用いた追跡端末(「なんつい」「ワールドキーパー」)や遠隔監視サービス(「なんモニ」「DXタグ」)、作業者向けのアシストスーツ、さらにカーシェアリングのシステム提供や運営受託といったサービスを組み合わせて展開しています。

経営方針

同社は中期ビジョン2030を掲げ、2025年9月に策定した新たなパーパスを経営の羅針盤として、選択と集中により国内だけでなくアジアエリアでも積極的に事業を拡大することを目標としています。今後5年間を「構造改革フェーズ(2026〜2027年度)」と「収益拡大フェーズ(2028〜2030年度)」に分け、EBITDAの継続的な伸長とROE10%以上を定量目標に設定し、連結売上高や経常利益を主要なモニタリング指標として業績管理を行っています。

同社はパレットを中心としたレンタルと販売に重点投資を行い、約200か所のデポとレンタル機器約528万枚という規模を活かした「トータルパレットマネジメント」で差別化を図っています。採算性重視の価格政策を堅持し、レンタル単価の見直しやデポ集約、パレット洗浄機の導入などでオペレーションコストを削減し、稼働率向上と粗利率の改善を進める具体策を実行しています。また、中古パレット販売の強化やレンタルと販売の相乗効果により顧客基盤の拡充を目指しています。

同社は国内の一貫したパレチゼーション需要の取り込みに加え、アジア市場での売上比率拡大を明確に掲げています。改正物流効率化法の追い風を受け、荷待ち時間短縮などの課題解決に貢献する「一貫パレチゼーション」の普及を図ることでレンタル需要を喚起し、家庭紙や冷凍食品、玄米といった既存得意分野を中心に導入を拡大します。営業体制では広域・海外営業の強化や拠点集約を進め、海外営業網の拡充や広域販売拠点の新設といった具体的な事業拡大施策を実行しています。

同社は技術革新をソリューション事業の中核に位置づけ、位置情報を使った追跡端末や遠隔監視サービス、作業支援機器などを組み合わせた付加価値サービスの拡販に取り組んでいます。事業組織の再編で物流関連のIoTやICT、ビークルソリューション、アシストスーツをソリューション事業本部に集約し、位置情報ソリューションや遠隔監視を通じて積載率向上や荷役時間短縮を支援するサービス開発と販売を強化することで、同社は物流の効率化と環境負荷低減を両立した成長を目指しています。