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野村マイクロ・サイエンスJP:6254
事業内容
野村マイクロ・サイエンスは、超純水製造装置の設計、施工、販売、メンテナンスを主な事業としています。超純水とは、イオン類や有機物、生菌、微粒子を含まない高純度の水で、特に半導体製造の洗浄工程で重要です。この水の純度は製品の歩留りに影響するため、徹底的な不純物除去が求められます。
同社の事業は主に水処理装置事業に集中しています。半導体やフラットパネルディスプレイ、製薬向けの超純水製造装置を中心に、各種用途向けの水処理装置を提供しています。これには、装置のメンテナンスやカートリッジフィルター、イオン交換樹脂などの消耗品販売、水質分析の受託も含まれます。
野村マイクロ・サイエンスは、半導体製造技術の進化に対応するため、原水の前処理から超純水製造までを一貫して提供しています。また、環境負荷を軽減し、水資源の有効利用を促進する排水・回収処理装置も提供しています。これらの製品は国内外のユーザーに販売されています。
同社は、韓国、中国、台湾、米国などの地域で連結子会社を通じて事業を展開しています。特に、野村マイクロ・サイエンス コリアは研究開発機能を持ち、海外ユーザーに近い場所での研究開発体制を整えています。これにより、ユーザーのニーズに応じた技術提案やコストダウンを図っています。
さらに、同社はBOOM契約を通じて、ユーザーの設備投資負担を軽減するサービスも提供しています。BOOM契約では、同社が超純水装置を提供し、ユーザーは使用料を支払う形で、装置の運転管理とメンテナンスを同社が行います。この契約も水処理装置事業に含まれます。
その他の事業として、野村マイクロ・サイエンスとアグループラスチックは、高純度薬品や配管材料の販売を行っています。高純度薬品は超純水製造装置の安定運転に寄与し、配管材料は超純水供給や化学薬品、上下水、ガスの移送に使用されます。
経営方針
野村マイクロ・サイエンスは、2023年度に中期経営計画「TTT-26(Together Toward Transformation-26)」を策定しました。この計画では、アジアを中心に半導体・製薬工場向けの超純水製造装置で卓越した企業を目指すことを掲げています。また、顧客と共に経済的価値と社会的価値を創造するサステナビリティ経営を推進しています。
同社は、2026年度までに売上高1,010億円、営業利益146億円、ROE25%以上、ROIC22%以上の達成を目指しています。この目標を達成するために、「営業力の強化」、「エンジニアリングプロセスの改革」、「研究開発の加速」、「人的資本強化」、「環境問題への取組み」を重点施策として推進しています。
特に、東南アジア地域への進出を強化し、シンガポールに新たな現地法人を設立しました。また、インドでの半導体製造工場の水処理装置を受注するなど、営業力の強化を図っています。製薬市場では、北陸地域に新たな営業拠点を設置し、国内外での受注活動を強化しています。
さらに、超純水製造装置の効率化を図るため、ユニット化やスキッド化を進め、エンジニアリングプロセスの改革を推進しています。これにより、業務効率化や納期短縮を実現し、顧客のニーズに応えています。
研究開発においては、超純水の純度向上や次世代半導体向けの装置開発を進めています。製薬市場向けには、大学との共同研究で開発したエンドトキシンモニターを新たな製品として市場に投入し、事業拡大を図っています。
人的資本の強化も重要視しており、優秀な人材の採用と教育制度の拡充を進めています。デジタル投資による業務効率化も推進し、企業価値の向上を目指しています。環境負荷を低減し、省エネルギーに貢献する水処理装置の提案も行い、サステナビリティ経営を実現しています。