野村マイクロ・サイエンスJP:6254

時価総額
¥532億
PER
5.7倍
超純水製造装置の設計・施工・販売、メンテナンス、消耗品販売、水質分析受託、BOOM契約による超純水提供。

沿革

1969年4月

米国ゼネラル・エレクトリック社(GE)開発のニュクリポアー・メンブレン(超精密ろ過膜)の日本及び極東地区独占販売を目的に、東京都中央区日本橋本石町において設立

1972年12月

NPC社(Nuclepore Corporation)をGE社と共同で設立し、NPC社の株式23%を取得

1973年11月

北興化学工業株式会社ニュクリポアー部門の人員・資産を当社に統合し、ニュクリポアー・メンブレンと関連機器の製造販売体制の一体化を図る

1974年1月

米国アクアメディア社の超純水技術を導入、超純水製造システムに進出

1976年3月

RO(逆浸透膜)によるパイロジェン(細菌の菌体成分の一部)除去システムを開発し、国内製薬会社に納入

1977年7月

本社を東京都中央区日本橋鍛冶町に移転

1980年7月

逆浸透装置の国産化を図るため、日本アクアメディア株式会社(1991年8月株式会社ナムテックに商号変更)を米国アクアメディア・日揮株式会社(現日揮ホールディングス株式会社)・当社の3社合弁により設立(当社出資比率33.3%)

1981年2月

本社を東京都千代田区大手町に移転

1983年2月

韓国三星半導体通信(当時)に超純水装置を輸出し、韓国市場に進出

1983年11月

GE社とともにNPC社株式をスウェーデン・ボニエールグループに譲渡

1984年9月

厚木営業所開設

1987年7月

台湾・極水股份有限公司に超純水装置を納入し、台湾市場に進出

1991年8月

新社屋を厚木市岡田に建設し、本社を同所に移転

1993年12月

三星電子からのメンテナンス受注のため、韓国に合弁会社株式会社野村テクノを設立(当社出資比率50% 1999年8月株式会社野村コリアに商号変更 現在の当社出資比率100%)

1995年5月

台湾での超純水装置受注を図るため、台湾支店を開設(台湾・新竹市)(2015年10月閉鎖)

1996年1月

三星電子の米国進出に伴う超純水装置納入のため、米国に100%子会社野村マイクロ・サイエンス USA,Inc設立(2002年5月清算)

1997年9月

韓国・LG半導体の英国進出に伴う超純水装置納入のため、100%子会社野村マイクロ・サイエンス UK Ltd.設立(2001年11月清算)

1998年10月

株式会社ピュアレックスが保有する特許の事業化を目的として、同社との合弁で株式会社野村ピュア設立(当社出資比率71%)

1999年8月

経営効率化のため、株式会社ナムテックを100%子会社化

2000年3月

ポリ弗化ビニリデン(PVDF)製品の販売のため、オーストリア・アグルー社と合弁で株式会社アグルー・ジャパン設立(当社出資比率80%)

2001年2月

中国での超純水装置販売のため、台湾・Hantech社との合弁で中国に上海野村水処理国際貿易有限公司設立(当社出資比率70%)

2005年8月

経営効率化のため、株式会社野村ピュアを100%子会社化

2005年9月

経営効率化のため、株式会社アグルー・ジャパンを100%子会社化

韓国半導体メーカーの国産化に対応するため韓国支店開設(2009年1月閉鎖)

2006年1月

経営資源の有効活用のため、株式会社ナムテック及び株式会社アグルー・ジャパンを当社に吸収合併

中国での超純水装置受注のため、台湾・Hantech社との合弁で中国に上海野村水処理工程有限公司設立(当社出資比率70% 現在の当社出資比率100%)

2006年2月

三星電子の米国現地法人からの超純水装置納入のため、米国に100%子会社野村マイクロ・サイエンス USA Ltd.,Co設立

2006年8月

シンガポールでの超純水装置受注を図るため、100%子会社野村マイクロ・サイエンス (Singapore) Pte Ltd設立(2008年12月清算)

経営資源の有効活用のため、株式会社野村ピュアを当社に吸収合併

2006年12月

経営効率を高めるため、上海野村水処理国際貿易有限公司の出資持分を台湾・Hantech社に譲渡

2007年10月

ジャスダック証券取引所(現東京証券取引所JASDAQ(スタンダード))に株式を上場

2008年2月

排水処理事業の拡大を図るため、株式会社クラレとの合弁でクラレアクア株式会社設立(当社出資比率45% 2012年3月合弁解消)

2009年4月

プラスチック製配管材料の販売強化のため、アグループラスチック株式会社を新設分割(当社出資比率100%)

2009年6月

中国での超純水装置及び消耗品等の販売強化のため、上海日村商貿有限公司設立(当社出資比率100% 2015年12月清算)

2011年1月

台湾での超純水装置及び消耗品等の販売強化のため、台湾に野村微科學工程股份有限公司設立(当社出資比率100%)

2011年11月

海外での研究開発体制構築のため、韓国に株式会社NAD設立(当社出資比率100%)

2012年5月

2012年8月

2013年3月

中国での排水処理事業拡大のため、当社100%子会社である上海野村水処理工程有限公司が中国に設立した銅仁市栄盛興環保科技工程有限公司に出資(同子会社の出資比率35% 2016年9月に持分法適用関連会社から除外)

当社グループの海外事業拡大を図るため、新たな海外拠点としてベトナムに駐在員事務所を開設(2016年12月閉鎖)

韓国企業の中国進出に伴い、上海野村水処理工程有限公司が西安支店を開設

2013年5月

韓国企業の中国進出に伴い、上海野村水処理工程有限公司が広州支店を開設

2013年11月

株式会社NAD(現 株式会社野村マイクロ・サイエンス コリア)が韓国京畿道華城市に研究所を設置

2013年12月

2014年1月

中国貴州省の浄水・汚水処理事業に参画するため、黔東南州凱創水資源環保科技工程有限公司(当社出資比率99%、2017年8月上海野村水処理工程有限公司が共同出資者から出資持分1%を取得)を設立(2018年11月当社及び上海野村水処理工程有限公司の出資持分全部を譲渡)

韓国における経営資源を集約し、グループ経営の効率化・合理化を図るため株式会社野村コリアを存続会社として株式会社NADを吸収合併、株式会社野村コリアの商号を株式会社野村マイクロ・サイエンス コリアに変更

2018年8月

ベトナムでの超純水装置及びメンテナンス・消耗品販売のため野村マイクロ・サイエンス(Vietnam)Co.,Ltdを設立(当社出資比率100% 2021年3月に清算決議)

2018年12月

AEO制度(関税手続きの簡素化・迅速化等のメリットを与える制度)における「特定輸出者」の承認を受ける

2020年5月

東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から同取引所市場第二部に市場変更

2021年6月

東京証券取引所市場第一部銘柄に指定

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しにより、同取引所の市場第一部からプライム市場に移行

2023年1月

水翼(上海)成套工程有限公司の全出資持分を取得し、商号を野村(上海)水処理工程技術有限公司に変更

事業内容

野村マイクロ・サイエンス株式会社とそのグループ企業は、半導体やフラットパネルディスプレイ(FPD)製造に不可欠な超純水製造装置の設計、施工、販売及びメンテナンスを主軸に事業を展開しています。超純水とは、極めて高い純度を持つ水で、半導体製造の洗浄工程などで必要とされます。同社は、この超純水製造装置に関連するカートリッジフィルターやイオン交換樹脂などの消耗品の販売、水質分析の受託も手がけています。

同社グループは、半導体製造技術の進展に伴う要求に応えるため、原水から超純水を製造する一連のプロセスを提供しており、環境負荷の軽減や水資源の有効利用にも貢献しています。また、設備投資の負担軽減を目的としたBOOM(Build Own Operate and Maintenance)契約も展開しており、これによりユーザーは使用した超純水の使用料のみを支払うことで、装置の運用やメンテナンスを同社が担います。

野村マイクロ・サイエンス株式会社は、国内外のユーザーに直接販売するほか、韓国、中国、台湾、アメリカにおいても子会社を通じて販売を行っています。特に、韓国の子会社は研究開発機能を有し、技術力の向上やコストダウンに貢献しています。

その他の事業として、高純度薬品や配管材料の販売も行っており、これらは超純水製造装置の安定運用や、化学薬品、上下水、ガス等の移送に利用されます。これらの事業展開により、野村マイクロ・サイエンス株式会社グループは、半導体やFPD製造に欠かせない超純水の供給を通じて、高度な製造業の支援を行っています。

経営方針

野村マイクロ・サイエンス株式会社は、半導体やフラットパネルディスプレイ(FPD)、製薬工場向けの純水・超純水装置の設計、施工、販売及びメンテナンスを主軸に事業を展開しています。同社は、中期経営計画「HiPES-2023(リバイス)」を通じて、アジア市場における競争力強化と受注拡大を目指しています。具体的には、国内での半導体・製薬関連装置の受注拡大、韓国での最先端半導体投資の確実な受注、中国・台湾での採算性を重視した受注活動、製薬業界への注射用水製造装置の提案・受注活動強化、コストダウンと経費削減の継続を推進しています。

また、エンジニアリング体制及び外部ネットワークとの連携強化、最先端半導体向け超純水製造装置開発、分析技術の向上、人材活性化などの企業基盤強化策も進めています。同社は、連結売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付け、この指標の継続的な向上により企業価値の増大を図っています。2023年3月期には連結売上高営業利益率が13.2%となり、新規市場開拓、周辺事業拡大、高付加価値商品の拡販による更なる向上を目指しています。

経営環境としては、国内外での半導体及び製薬関連企業の投資堅調が見込まれる一方で、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の先行き不透明さも指摘されています。野村マイクロ・サイエンス株式会社は、営業力の強化、エンジニアリング体制及び外部ネットワークとの連携強化、受注採算の改善、継続的な研究開発による顧客への最適システムの提案、優秀な人材の確保などを経営課題として取り組んでいます。これらの戦略を通じて、同社はアジア市場におけるリーダー企業を目指しています。