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西部技研JP:6223
沿革
1965-07 | ㈱西部技術研究所(当社)を設立。 |
1972-04 | ㈱西部技研に商号変更。 |
1974-03 | コルゲーション(注1)の製法及び連続成形機(注2)完成により全熱交換器を商品化。 |
1979-04 | 福岡県粕屋郡篠栗町に本社・工場を建設。 |
1981-04 | 吸湿性を有するアルミシートを使用した全熱交換器「HI-PANEX」の商品化。 |
1984-04 | 活性シリカハニカム除湿ロータ「SSCR」の商品化。 |
1985-11 | スウェーデン(スパンガ)のDST Sorptionsteknik ABと業務提携開始。 |
1986-09 | 超低露点シリカゲル・ゼオライトハイブリッド除湿ロータ「SZCR」(注3)の商品化。 |
1988-01 | 疎水性ゼオライト(注4)を用いた溶剤濃縮ロータ「UZCR」の商品化。 |
1993-10 | スウェーデンのDST社の全株式を取得し、Seibu Giken DST ABに商号変更(100.0%所有、連結子会社)。 |
1995-10 | 福岡県粕屋郡古賀町(現古賀市)に本社を移転し、工場を建設。 |
2001-07 | アメリカ(メリーランド州)にSeibu Giken America, Inc.を設立(100.0%所有、連結子会社)。 |
2002-02 | マイクロガスタービン排熱駆動型新デシカント空調機「E-SAVE」(注5)の商品化、本格販売を開始。 標準除湿機ドライセーブ「New-SGP」の商品化。 |
2003-01 | 福岡県古賀市に第二工場を建設。 |
2004-11 | 福岡県古賀市に第三工場を建設。 |
2005-09 | 中国 上海に駐在員事務所を開設。 |
2007-01 | 中国(江蘇省常熟市)に西部技研環保節能設備(常熟)有限公司を設立(100.0%所有、連結子会社)。 |
2009-02 | 中国(江蘇省常熟市)に迪思特空气処理設備(常熟)有限公司を設立(100.0%間接所有、連結子会社)。 |
2010-02 | 中国(江蘇省常熟市)に西部技研環保節能設備(常熟)有限公司自社工場を建設。 |
2012-04 | アメリカ(ペンシルバニア州)にSeibu Giken DST America, Inc.を設立(100.0%間接所有、連結子会社)。 |
2012-11 | 特殊ガラス繊維(注6)を用いた除湿ロータ「D-MAX」の商品化。 |
2013-07 | ポーランド(グディニャ)にSeibu Giken DST Poland SP. ZO.O.を設立(100.0%間接所有、連結子会社)。 |
2014-07 | 福岡県古賀市に㈱西部技研DRエンジニアリングを設立(100.0%所有、連結子会社)。 |
2016-11 | 高性能VOC濃縮ロータ「V-MAX」の商品化。 |
2017-07 | タイ(バンコク)に駐在員事務所を開設。 |
2017-11 | ケニア(ナイロビ)にSeibu Giken DST East Africaを設立(100.0%間接所有、連結子会社)。 |
2018-01 | 福岡県古賀市に西部技研イノベーションセンターを建設。 |
2018-05 | 本社社屋内に企業内保育所として、はにかむ保育園を開園。 |
2018-11 | 神奈川県高座郡寒川町に湘南事業所を開設。 |
2018-12 | 室内CO2除去装置「SMART-SAVE」の商品化。 |
2019-09 | 大韓民国(京畿道華城市)にSeibu Giken Korea Co., Ltd.を設立(100.0%所有、連結子会社)。 |
2020-04 | 福岡県宗像市に宗像工場を建設。 |
2022-01 | ISO9001認証取得。 |
2023-10 | 東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場。 |
事業内容
西部技研は、デシカント除湿機やVOC濃縮装置などの製造、販売、据付工事を主な事業として展開している企業です。同社は、1965年に設立され、1974年には連続ハニカム成形技術を確立しました。この技術により、空気抵抗が少なく、強度に優れ、表面積が広いハニカム積層体を製造しています。このハニカム積層体は、デシカント除湿機やVOC濃縮装置、全熱交換器などの製品の心臓部として使用されています。
デシカント除湿機は、シリカゲルやゼオライトなどの吸着材を用いて湿気を吸着させることで空気を除湿します。この方式は、低温時や低露点環境でも効率的に除湿できるため、食品・製薬工場、リチウムイオン電池の製造工程、美術館・博物館など幅広い用途に採用されています。また、車載電池の製造においても、非常に低湿な環境を実現するためにデシカント除湿機が有効とされています。
VOC濃縮装置は、塗料から発生するベンゼンやトルエンなどの揮発性有機化合物(VOC)を総称したものを選択的に吸着させ、排出ガスの無害化を可能にします。この装置は、半導体製造や自動車塗装などの産業で広く認識されており、大気汚染防止のための環境保全装置としての役割を果たしています。
さらに、同社は換気によって失われるエネルギーを再利用しCO2削減に寄与する省エネルギー装置、全熱交換器も製造販売しています。これらの製品は、一般事務所ビル、研究施設、病院、ホテル、学校、船舶、プールなど、多岐にわたる産業で採用されています。
西部技研は、国内外に生産工場を展開し、国内市場だけでなく、約50か国に販売網を広げています。また、製品の性能を最大限に発揮できるよう、据付工事やメンテナンス、ロータ交換工事などのサービスも提供しており、他社製ロータの交換も可能としています。国外では、サービス事業の拡大にも取り組んでいます。
経営方針
西部技研は、独自の技術を駆使して環境に優しい空気のソリューションを提供する企業です。同社は、「独創と融合」を経営理念に掲げ、新しい価値を生み出すことを目指しています。特に、デシカント除湿機やVOC濃縮装置などの製品を通じて、製薬、食品製造、リチウムイオン電池製造などの分野で、製造過程で発生するロスの削減や品質維持に貢献しています。また、自動車製造や半導体製造の工程で発生する有害なVOCのみを吸着・濃縮し、大気汚染防止にも寄与しています。
同社の成長戦略は、コア事業であるデシカント除湿機とVOC濃縮装置の市場でのシェア拡大、特にリチウムイオン電池産業や製薬、食品産業などの成長産業を重点ターゲットとしています。北東アジアでのソリューション事業の拡大、品質と性能の改良・改善、新規ビジネス機会の探索と次世代技術の開発にも注力しています。さらに、グローバル市場でのVOC濃縮装置のリーダーとしての地位を確立し、新興国や新規用途への参入、ロータ交換需要に対応するための現地体制の構築、バリューチェーン全体でのコスト削減を目指しています。
また、外気処理のイノベーションによる全熱事業の活性化、新たな技術の商業化の可能性の模索など、コア技術とイノベーションによる差別化を図る戦略も掲げています。これらの戦略を通じて、同社は継続的な事業の拡大と企業価値の向上を目指しています。