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GunosyJP:6047
事業内容
Gunosyはユーザーの興味・関心に応じてニュースや情報を配信するキュレーション型のメディアサービスを中心に事業を展開しています。同社は「グノシー」「ニュースライト」「auサービスToday」などのアプリで、多数のサイトから情報を集めて速報性や網羅性、パーソナライズ性を重視して配信しています。子会社が運営するゲーム情報メディア「game8.jp」なども含め、幅広いコンテンツを提供しています。
同社の主要な顧客は広告主で、アプリ上の広告掲載による収益が中心です。独自に蓄積した記事閲覧履歴やユーザーの興味カテゴリなどのデータを活用して、広告主に対して効果的なターゲティング配信を行い、クリック課金や表示課金(CPC、CPM)を主な課金形態として収入を得ています。ユーザーベースは拡大しており、合計ダウンロード数は2025年5月末時点で約7,639万ダウンロードに達しています。
事業の構成は主にメディア事業で、広告配信サービス「Gunosy Ads」と顧客の販売促進を支援するマーケティングソリューションを提供しています。広告配信では配信精度や費用対効果の向上を図るために商品改善を続け、その他メディア運営を通じた広告枠の販売やソリューション提供で収益基盤の拡大を目指しています。
経営方針
同社は中長期的にグループの企業価値・株主価値を高めることを成長戦略の中心に据えており、目標として時価総額1,000億円の達成を掲げています。事業ポートフォリオの再構成を進め、2026年5月期を起点に事業ごとの役割に応じた経営資源配分と財務指標による管理を本格化させています。主要なモニタリング指標として営業利益やEBITDAを重視するとともに、投資判断ではROICやIRRを使って資本効率を定量的に評価する方針です。基盤となるユーザーベースも拡大しており、アプリ合計ダウンロードは2025年5月末時点で約7,639万件に達しています。
重点投資分野では、まず「グノシー」「auサービスToday」「game8.jp」など広告収益を生む既存メディアをコアキャッシュ領域と位置づけ、安定的なキャッシュ創出を図っています。差別化戦略としては、同社が蓄積する記事閲覧履歴や利用者の関心データを活用した高精度なターゲティング広告と、広告掲載基準や審査体制の強化による品質担保を両輪としています。また、ソリューション型の販売促進や広告商品の拡充により、顧客企業への付加価値提供を強化して競争優位を確立しようとしています。
新市場開拓と事業拡大では、SC事業や開示支援クラウド「IR Hub」、インド投資先のsliceなどを高成長オプション領域として選択的に投資を行っています。M&Aは成長とキャッシュ強化の重要施策と位置づけ、余剰現預金や限定的な財務レバレッジを活用して、M&A後2年で想定ROICがWACCを上回る案件を重視する投資方針を取っています。実務面では案件のソーシングからデューデリジェンス、統合(PMI)までを一気通貫で担える専門組織を拡充し、取得済みのGホールディングス等を通じて収益基盤の強化を進めています。
技術革新への取り組みとしては、開発体制の強化と最先端技術の取り込みを掲げています。定期的な社内外の勉強会や優秀なエンジニアの採用により開発スピードと技術力を高め、広告配信の精度向上やユーザー体験の個別最適化を進めています。さらに、大規模言語モデル(LLM)などを含むデジタル技術の応用に積極的に取り組み、商品改善や新規サービス創出を通じて収益多様化と長期的な成長を目指しています。