パイオラックスJP:5988

時価総額
¥622.5億
PER
36.7倍
自動車関連製品の製造販売を主軸に、工業用ファスナーや精密ばね、医療機器の製造販売を手がける企業。

事業内容

パイオラックスは、自動車関連製品の製造販売を主な事業としています。同社は、国内外に16の子会社と1つの関連会社を持ち、グローバルに事業を展開しています。主な製品には、工業用ファスナーや精密ばねがあり、これらは車の内装や外装に使用されます。

国内では、パイオラックス エイチエフエス、ピーエヌエス、パイオラックス九州、ケーアンドケーが製造を担当し、日産自動車をはじめとする自動車メーカーに供給しています。また、ケーエッチケー販売が小口の顧客向けに販売を行っています。パイオラックス ビジネスサービスは、経理や人事、総務の業務を担当しています。

海外では、アメリカのジョージア州、イギリスのランカシャー州、韓国の仁川広域市、タイのラヨーン県、中国の広東省と湖北省、インドのアーンドラ・プラデーシュ州、メキシコのヌエボレオン州、インドネシアの西ジャワ州で自動車部品を製造し、販売しています。これにより、各地域の自動車メーカーに製品を供給しています。

医療機器分野では、パイオラックス メディカル デバイスが医療関連製品を製造し、販売しています。さらに、パイオラックスは自動車用ボルトの大手メーカーである佐賀鉄工所と業務提携を結び、グローバルな協力関係を構築しています。しかし、2025年2月に佐賀鉄工所の株式の一部を売却し、持分法の適用範囲から除外しました。

経営方針

パイオラックスは、持続的な成長を目指し、革新的な成長戦略を推進しています。創業90周年を機に策定された「パイオラックス ウェイ」は、技術を通じて人と社会をつなぎ、新たな価値を創造することを目的としています。この理念のもと、同社は自動車生産台数に依存しない経営方針へとシフトし、技術力を活かした高付加価値製品の開発に注力しています。

同社は、特に先進運転技術(ADAS)関連商品やバッテリー、eアクスル向けのバスバーの開発に力を入れています。新真岡工場を中心に大型成形機の導入を進め、設備投資を積極的に行っています。また、地域別の成長戦略として、インドでの生産能力増強や、日系以外の海外自動車メーカーへの拡販を推進しています。

組織改革も進行中で、2025年4月からは機能別の体制へと改編し、迅速で柔軟な事業展開を目指しています。これにより、戦略立案と実行の迅速化、適正なリソース配分を実現し、企業価値の向上を図ります。医療機器事業では、低侵襲治療に注力し、大学病院との共同研究を通じて商品企画力と営業力を強化しています。

サステナビリティへの取り組みも重要視されており、「PIOLAX ESG Vision 2030」を掲げ、脱炭素社会と循環型社会の実現を目指しています。資本政策の見直しも行い、資本効率の改善と企業価値の向上を図るため、自己株式取得や配当金の継続的な支払いを計画しています。これらの戦略を通じて、パイオラックスは持続可能な成長を追求しています。