ナルネットコミュニケーションズJP:5870

時価総額
¥56億
PER
13倍
自動車関連BPOの有力企業。オートリース企業や法人・個人向けの車両管理、点検・車検・修理の一括受託、コールセンター運用やタイヤ保管を含むメンテナンス受託を展開。データ管理、納税管理やMLSを含む4つの事業区分で運営。全国の整備工場と連携する全国ネットワーク。

事業内容

ナルネットコミュニケーションズは、「Mobility’s Transformer」を掲げ、自動車関連のBPO(業務委託)事業を中核に、車両管理やメンテナンス管理などのサービスを提供しています。同社はオートリース会社など自動車関連企業から法人・個人向けの車両管理業務を一括で受託し、整備工場と連携して点検・車検・修理等の実務を担っています。

主要な顧客はオートリース事業者や一般法人、個人向けリース提供者であり、リース期間に合わせたメンテナンス契約を中心に収益を得ています。同社の事業は自動車関連BPOの単一セグメントで構成されており、長期の契約に基づくメンテナンス受託が安定した収益基盤になっています。

事業は「メンテナンス受託事業」「MLS(マイカーリースサポート)事業」「BPO事業」「その他事業」の四つに分かれています。メンテナンス受託は法人向けに点検・修理等を一括受託し、MLSは個人向けリースの定期点検中心の限定契約を担います。BPO事業ではデータ管理、タイヤ保管、納税管理など多様な車両関連業務を受託し、その他では中古車売却やワランティ、メンテナンスパック等を取り扱っています。

経営方針

同社は「Mobility’s Transformer」を掲げ、自動車関連のメンテナンス受託を基軸に安定的な成長と企業価値向上を目指しています。主力事業はリース車両を中心としたメンテナンス受託で、長期契約による安定収益を重視しており、国内のリース車保有台数は2025年3月時点で約428万台と堅調に推移していることを成長の追い風としています。経営の評価指標としては売上総利益と営業利益を重視し、事業拡大や収益性を測るKPIとして管理台数と売上総利益率を重要視しています。

同社は整備工場ネットワークの拡充と現場密着のサービス提供を差別化の中核に据えています。具体的には提携整備工場との定期的な訪問・電話・メール・FAXによる連絡や、ソーシャルメディア「モビノワ」を通じた情報発信を継続しており、2025年3月末時点で提携工場は13,031ヵ所に達しています。点検・車検・修理の一括管理に加え、データ管理やタイヤ保管、納税管理といった車両関連の周辺業務も受託することで、顧客の「複雑で煩わしい業務」をよりシンプルで高品質なサービスに変えることを目指しています。

同社は自動車に留まらない「移動」を支える新領域への事業拡大にも取り組んでいます。メンテナンス受託を軸に、法人向けの既存顧客に加え個人向けリースや新規顧客の獲得を進めることで事業規模の拡大と収益源の多様化を図っています。具体施策としてはMLS(個人向けリースサポート)や中古車売却、ワランティ、メンテナンスパックなど付加価値サービスの拡充により、モビリティ市場全体での受け皿となる新しいサービス創出を進めています。

同社は技術面と人材面への投資を優先課題と位置づけ、ITシステムの高度化と優秀な人材の確保・育成を進めています。業務効率化や多様化する業務への柔軟な対応を可能にするためのシステム開発を強化し、提携先の業務効率化も支援します。人材面では社内研修の拡充、リモートワークの活用、福利厚生の整備などにより「アナログ×デジタル」の強みを活かせる人材を確保し、事業拡大に伴う運営体制の安定化を図っています。