- 日本企業
- エスネットワークス
エスネットワークスJP:5867
事業内容
エスネットワークスは、企業の財務・経営面の実務支援を軸とするコンサルティング会社で、特に財務責任者(CFO)機能をワンストップで提供しています。経営課題の可視化から解決策の立案、実行まで伴走して、顧客が自走できる仕組み作りを支援しています。
同社の主要な顧客は、成長期や再編期にある事業会社や、投資後の体制構築を求める投資ファンドなどです。収益は顧問料やプロジェクト単位のコンサル報酬が中心で、投資先への出資によるリターンや経営人材の派遣収入も一部を占めています。
事業は大きく経営支援コンサルティング、再生支援コンサルティング、海外進出支援コンサルティングの三本柱と、成長企業への投資事業に分かれています。経営支援では予実管理やKPI整備、決算早期化といった実務構築を行い、再生支援では再生計画の策定と実行支援を行い、海外支援では東南アジアでの現地法人設立から会計・給与の立ち上げまでを常駐型で支援しています。
経営方針
同社は人的投資の拡大を起点に中長期的な事業拡大と資本効率の向上を目指しています。具体的には、コンサルタント数、コンサルタント一人当たり売上高、営業利益率を毎月モニタリングし、資本効率を示す指標としてROE20%を中長期目標に掲げています。市場環境としては、2024年の日本における合併・買収(M&A)が前年から約17.1%増の約4,700件に達するなど企業の構造変化が加速しており、こうした需要を取り込むため採用と報酬水準の引き上げに重点投資を行っていきます。
同社の重点投資分野は財務責任者(CFO)機能を中心とした実務支援で、経営課題の可視化から解決策の立案、実行支援までワンストップで提供する点を差別化の柱としています。具体的施策としては、人事評価制度や賃金制度の見直し、多様な働き方を支える労働環境・福利厚生の改善、実践型研修や1on1面談の強化を通じて専門性の高いコンサルタントを育成します。また、事業部を跨いだ案件アサインメントで幅広い経験を積ませることで、複数領域を横断できる人材を輩出することを目指しています。
新市場開拓と事業拡大では、海外進出支援の強化を明確に打ち出しています。日本企業の対外直接投資はアジア圏を中心に増加しており(2023年末時点でアジア圏への残高は約557,977百万ドル)、同社は東南アジア等での現地法人設立から会計・給与の立ち上げまでを常駐型で支援することで現地のガバナンスや実務ニーズに応えます。加えて、成長企業への出資や経営人材の派遣を通じた投資事業も拡大し、顧客の再編期や投資後の体制構築需要を取り込む計画です。
技術革新への取り組みでは、「経営に科学を」という価値観に基づき業務のデジタル化と標準化を推進しています。具体的には、月次報告や決算の早期化を目的とした帳票・プロセスの自動化、経営指標を可視化するダッシュボードの導入、現地法人向けの会計・給与システム整備などを行い、コンサルタントの現場作業を効率化します。これにより、人的投資で増強したコンサルティング力を最大限に活用し、顧客への提供価値と収益性を同時に高めていくことを同社は目指しています。