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STGJP:5858
事業内容
STGは軽量化金属部品の製造加工を主力とする企業です。同社はマグネシウムを中心に、金型設計から鋳造、機械加工、ショットブラスト、表面仕上げ、化成処理、塗装、組立まで一貫して行い、精密成型の技術を強みとしています。
顧客はミラーレスカメラや自動車、監視カメラ、プリンター・プロジェクター、医療機器、ドローンなど、軽量化や放熱・電磁シールド性を重視する製造メーカーが中心です。同社はSTX PRECISION(マレーシア)を通じてグローバル企業へ供給しており、2025年3月期の売上はマグネシウム製品が約51%、アルミ製品が約39%で、中期計画「Challenge 100」に基づき設備投資やM&Aで受注増に対応する方針です。
事業は「金属部品鋳造及び加工」の単一セグメントで、主力製品はマグネシウム合金部品とアルミニウム合金部品です。同社は薄くて高強度な部品や放熱・シールド性が求められる用途向けの設計・鋳造・加工ノウハウと、複数国に工場を持つグローバル対応力、安全なマグネシウム取扱い体制を競争力にしています。
経営方針
同社は中期経営計画「Challenge 100」に基づき、まず2027年度末をめどに連結売上高100億円、連結営業利益8億円を目標とし、最終的には連結売上高300億円・連結営業利益30億円の達成を目指しています。成長の優先順位は売上高の拡大であり、特にマグネシウム部品売上高やEBITDAを重要指標として位置づけ、採算性の高い製品に注力する方針です。2025年3月期の構成ではマグネシウム製品が約51%、アルミ製品が約39%を占めており、軽量化ニーズの高まりを受けてマグネシウム比率をさらに高めることで成長を加速させます。
重点投資分野は生産設備と人材、及び技術継承の強化です。同社はマグネシウムの取り扱いに関する高度なノウハウと一括生産体制(金型設計から表面処理・組立まで)を差別化要因と位置づけており、設備投資で生産能力を拡大するとともに、合併・買収(M&A)を活用して周辺領域の事業を取り込み、シナジーを追求します。これによりアルミとマグネシウム双方の製造を最適配分し、既存顧客への供給力と利益率を向上させることを目指しています。
新市場開拓と事業拡大では、ASEANを中心とした生産拠点の拡充を進めています。マレーシアのSTX PRECISIONでアルミ生産能力を増強すると同時にマグネシウム取扱いを開始し、地政学リスク分散も踏まえてフィリピンへの進出も検討中です。また生産能力向上に伴う人員確保や一層の内製化を図るため、M&Aは生産基盤と人材獲得を主眼にPMI(統合)を徹底して将来の収益源化を図ります。同社はこれらの施策で受注増に迅速に対応し、成長スピードを高めようとしています。
技術革新への取り組みとしては、金型設計力や鋳造技術、検査・品質管理体制の高度化を挙げています。マグネシウムは可燃性や加工の難しさという特性があるため、安全対策と加工ノウハウの継承が収益性維持の鍵であり、教育・訓練による技術伝承や多様な製造手法への対応を進めます。資金面では自己資本比率30%以上の維持を意識しつつ、為替や調達コストを勘案した借入や優先株による資金調達を組み合わせ、配当性向20%程度を目標に株主還元も意識して技術投資と設備投資を両立させていきます。