日本精鉱JP:5729

時価総額
¥258.2億
PER
6.8倍
アンチモン事業では難燃剤や触媒用三酸化アンチモンを製造販売し、金属粉末事業では電子部品用や粉末冶金用金属粉末を手がける。

事業内容

日本精鉱は、主にアンチモン事業と金属粉末事業の2つの事業セグメントを持っています。アンチモン事業では、プラスチック材料の難燃剤やポリエステル、アクリル系樹脂の触媒として使用される三酸化アンチモンを製造・販売しています。また、ブレーキ材料としての三硫化アンチモンや、耐熱性が求められる樹脂の難燃剤用アンチモン酸ソーダも取り扱っています。

金属粉末事業では、連結子会社の日本アトマイズ加工が、電子部品用の金属粉末や粉末冶金用の金属粉末を製造・販売しています。具体的には、導電ペースト用の銅粉や貴金属粉、パワーインダクタ用の鉄系合金粉、精密モーター軸受用の青銅粉、黄銅粉、錫粉、自動車部品用の銅粉などがあります。

その他の事業として、日本精鉱は本社ビルの一部を賃貸する不動産賃貸事業や、高糖度トマトの養液ハウス栽培事業を行っています。また、同社は株式会社川嶋と原料取引を行い、連結子会社の日テイ精礦(上海)商貿有限公司を通じて中国市場でのアンチモン製品の販売と原料調達を行っています。

経営方針

日本精鉱は、持続可能な成長を目指し、2035年の創立100周年に向けた長期ビジョンを掲げています。このビジョンの実現に向け、2025年度から2028年度までの中期経営戦略を策定しました。この戦略では、グループ連携の強化、既存事業の競争力強化とグローバル展開、新規事業の創出、人的資本の充実とESGへの取り組みを基本方針としています。

アンチモン事業では、安定生産と収益性の改善を図り、高付加価値製品の販売とグローバル化を推進します。特に、中国当局の規制が続く中での原料調達の多様化を進め、生産プロセスのDX化や省人化を加速させることで、原価低減を目指します。また、技術開発部を新設し、新製品の開発や製造技術の確立を進めます。

金属粉末事業では、つくば工場での鉄系合金粉製造ラインの本格稼働を進め、電子部品向け金属粉末の生産と販売を拡大します。サーキュラーエコノミーを実現するため、リサイクル率の向上や製造工程の改善を通じて原価低減を図ります。さらに、MLCC・インダクタ向けの新製品開発にも注力し、粉末の機能性を高める取り組みを進めます。