三菱製鋼JP:5632

時価総額
¥274.5億
PER
10.6倍
特殊鋼鋼材、ばね、素形材、機器装置の製造販売を行い、内航海運や港湾運送などの関連サービスも提供する企業。

事業内容

三菱製鋼は、特殊鋼鋼材、ばね、素形材、機器装置の製造および販売を行う多角的な事業を展開しています。これらの事業は、関連会社とともに運営され、運送やサービスなどの関連事業も含まれています。

特殊鋼鋼材事業では、炭素鋼や低合金鋼、ばね鋼などの特殊鋼鋼材を提供しています。主要な関連会社には、三菱製鋼室蘭特殊鋼やPT.MSM INDONESIAなどがあり、合計7社がこの事業に関与しています。

ばね事業では、巻ばねやスタビライザ、トーションバーなどの製品を製造しています。自動車や建設機械用の補修部品も手がけており、MSSC CANADA INC.やMSSC US INC.など、10社がこの事業に参加しています。

素形材事業では、特殊合金粉末や精密鋳造品を提供しています。MSM (THAILAND) CO., LTD.など、3社がこの分野で活動しています。これにより、精密機械加工品や鋳鋼品の製造が可能です。

機器装置事業では、鍛圧機械や産業機械、環境リサイクル機器を取り扱っています。三菱長崎機工が主要な関連会社であり、5社がこの事業に関与しています。これにより、幅広い産業機械のニーズに応えています。

その他の事業として、内航海運や港湾運送、倉庫業務を行っています。菱鋼運輸や菱鋼サービスが主要な関連会社であり、3社がこの分野で活動しています。これにより、物流サービスの提供が可能です。

経営方針

三菱製鋼は、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、2030年のビジョンを掲げています。このビジョンの実現に向け、2023年から2025年までの中期経営計画を推進しています。この計画では、収益力の強化や戦略事業の育成、人材への投資、サステナビリティ経営を重点的に進めています。

まず、収益力の強化においては、基盤事業のマージン維持・拡大を図り、資本効率を意識した経営を実現するためにROICを導入しています。これにより、事業ポートフォリオの最適化を進め、低採算事業からの撤退も視野に入れています。また、海外事業を中心に構造改革を進め、成長分野へのリソース集中を図っています。

戦略事業の育成では、「環境対応」「海外事業」「EVシフト」をキーワードに、2030年に向けて売上比率を現状の30%から50%に拡大することを目指しています。特に、海外鋼材事業や精密部品事業での成果が出始めており、今後も市場拡大に向けた設備投資を進めています。

人材への投資では、社員一人ひとりの力を伸ばし、会社の強みとしていくことを重視しています。賃金改善や作業環境の改善、人事評価制度の見直しを進め、経営層と従業員の対話を通じてエンゲージメントを高めています。これにより、成長を支える組織づくりを進めています。

サステナビリティ経営では、特にCO2排出量の削減を重要課題とし、2030年度までに総排出量を50%削減する目標を掲げています。再生可能エネルギーやサーキュラーエコノミーの分野での製品開発を進め、社会課題の解決に貢献しています。また、組織体制の見直しを行い、リスクマネジメント機能の拡充やガバナンスの高度化を図っています。

これらの取り組みを通じて、三菱製鋼は2030年のビジョンを実現し、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。