マーソJP:5619

時価総額
¥34.8億
PER
-102.5倍
ヘルステック事業の最大手。人間ドック・健診予約サイト「MRSO.jp」と医療施設向けWEB予約システム「MRS」、クラウド型健診管理のDXサービスを展開。2024年12月末時点で1,677の医療施設を掲載、2023年12月期の予約取扱高は1,809,413千円。国内中心に展開。

事業内容

マーソは、予防医療を軸に医療施設と個人・法人・行政をつなぐヘルスケアプラットフォーム事業を展開しています。同社はアナログ業務のデジタル化を進め、人間ドック・健診の検索・予約サイト「MRSO.jp」や医療施設向けのWEB予約システム「MRS」を主力サービスとして提供しています。

主要な顧客は受診者(個人)のほか、国公立病院からクリニックまでの医療施設、生命保険会社や企業、地方自治体などです。同社の収益は、予約経由で実際に受診が行われた場合に医療施設から受診金額に応じて受け取る成果報酬が中心で、広告は月額の定額、DXや法人・自治体向けサービスは月額の定額報酬により安定した収入を確保しています。

事業は大きく「予約」「広告」「DX」「ワクチン」の区分で整理しており、予約分野では掲載施設数や予約取扱高の拡大を重視しています。DXではMRSO-Plusを軸に予約から健診結果管理までを支援する各種オプションを提供し、法人向けや自治体向けの健診管理サービスで定額収入の拡大を図っています。ワクチン関連のニーズは国の方針変化で縮小しており、同社は成長領域である予約・DX・広告に経営資源を集中しています。

経営方針

同社は予防医療を軸に「健康寿命+8年(+8Y)」の実現を目指しています。成長戦略としては、2023年度の人間ドック・健診市場(約9,440億円)に対してWEB予約とDXを普及させることで市場シェアを拡大し、売上高と営業利益を主要な経営指標として達成を図る方針です。具体的なKPIとしては、MRSO.jpおよびMRS経由の「予約取扱高」、掲載医療施設数・会員数、医療施設や法人・行政向けの「契約アカウント数」を重視し、これらの伸長で事業価値を測ります。

同社が重点投資するのは、予約プラットフォームと医療施設向けのDXサービスです。MRSO.jpによる検索・予約と、医療機関向けのWEB予約システム「MRS」、および予約から健診結果管理までを支援するMRSO-Plusなどの機能拡充を通じ、電話・FAX中心の既存運用からのデジタル化を促します。差別化策としては、大手健診代行機関との資本業務提携を活かし、法人健診をワンストップで支援する「ビジネス・ヘルスケア・プラットフォーム」の構築で、企業・健保・医療施設を一体化したサービスを提供する点が挙げられます。

新市場開拓では、法定健診領域や法人・健康保険組合向け営業を強化していきます。同社は市場の約60%を占める企業や健保など団体向けに注力し、健診代行機関との共同プロジェクトを通じて法人予約の拡大を狙っています。今後は約4,500の医療施設に対する継続的なアプローチを行い、掲載枠や法定健診予約枠の拡大、地方自治体向けの導入促進を進めることで、継続的な予約取扱高の拡大と定額収入の拡充を目指しています。

技術革新面では、サービスの安定稼働とセキュリティ強化に重点を置き、ISMS、QMS、プライバシーマークの取得・更新を行っています。システム面ではクラウドサービスの堅牢化やPDCAによる運用改善、データ活用による実績管理の高度化を進めるとともに、開発体制強化のための海外子会社管理やエンジニア採用・研修を図っています。同社はこれらの投資を通じて、医療施設の業務効率化と利用者利便性の向上を実現し、ヘルスケア分野でのリーディングポジション確立を目指しています。