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中央可鍛工業JP:5607
事業内容
中央可鍛工業は、鋳鉄やアルミ製の自動車部品や産業機械部品と、オフィス用椅子などの金属家具を中心に製造・販売を行う企業です。同社グループは国内外の子会社・関連会社と連携して一貫生産体制を構築しています。
主要な顧客は自動車メーカーをはじめとする製造業で、トヨタ自動車などへ部品を納入しています。収益は自動車向け部品の出荷が中心で、金属家具の販売も安定した収入源になっています。
事業は「可鍛事業」と「金属家具事業」の二本柱で展開しています。可鍛事業では鋳鉄・アルミ製の自動車部品と産業機械部品を同社や連結子会社、蘇州拠点などに委託して製造し、関連会社が一部工程を担っています。金属家具事業は同社が販売を行い、連結子会社が製造を担って納入しています。
経営方針
同社は中期計画2025を着実に推進し、数値目標として2026年3月期に売上高400億円以上、営業利益率3.5%以上を目指しています。事業領域の拡大による売上成長と原価低減による財務基盤の強化を重視しており、株主資本利益率(ROE)も念頭に置いた収益構造の改善を進めています。最終年度を迎える中期計画では、既存の柱である自動車向け部品と金属家具の収益安定化を前提に、次の成長投資を行う計画です。
同社は重点投資分野として主力の自動車分野に加え、産業機械や成長分野への展開を掲げています。差別化策としては、鋳鉄・アルミ素材の一貫生産体制や国内外の生産拠点(蘇州拠点を含む)を活かし、大手自動車メーカー向けの高い品質と短納期対応を武器に高付加価値部品の供給を強化しています。併せて加工ラインの自動化や工程合理化を進め、コスト競争力を高める具体施策を実行しています。
同社グループは新市場開拓において、2030年を目途に産学連携も含めた新規事業創出を図る方針です。従来の自動車中心から需要の変化に対応するため、産業機械や電動化関連などの新たな用途へ供給先を広げる計画で、国内外の拠点を活用して顧客基盤の多様化と市場投入スピードの向上を目指しています。これらの拡大に向け、安定した資金基盤と生産体制の強化を並行して進める考えです。
技術革新では生産現場の効率化を具体的に進めています。加工ラインの自動化や人工知能(AI)・センサー連携(IoT)を活用した生産の合理化により歩留まり向上と稼働率改善を図るとともに、CO2排出量削減に向けた省エネ施策や再生可能エネルギーの導入を推進しています。人的資本への投資として次世代リーダーの育成や多様な人材の活躍支援も進め、技術と人材の両面で競争力を高める取り組みを実行しています。