コスモエネルギーホールディングスJP:5021

時価総額
¥7052.4億
PER
12.3倍
原油の自主開発から輸入・精製・販売、石油化学製品製造・販売、風力発電、不動産売買・管理、石油関連施設の工事、保険代理店業務。

事業内容

コスモエネルギーホールディングスは、持株会社として子会社の経営管理を行い、原油の自主開発から輸入、精製、貯蔵、販売を主な事業としています。さらに、石油化学製品の製造・販売、風力発電、不動産の売買・管理、石油関連施設の工事、保険代理店業務なども手がけています。

石油開発事業では、コスモエネルギー開発やアブダビ石油などが原油の自主開発と生産を行っています。Cosmo E&P Albahriya Limitedはアブダビでの探鉱活動を担当しています。

石油事業では、コスモ石油が原油を購入し、COSMO OIL INTERNATIONAL PTE. LTD.を通じてトレーディングを行います。精製された石油製品は、コスモ石油マーケティングを通じて販売され、国内輸送はコスモ海運が担当します。

石油化学事業では、コスモ松山石油や丸善石油化学などが石油化学製品の製造・販売を行っています。再生可能エネルギー事業では、コスモエコパワーが風力発電を手がけています。

その他の事業として、不動産の売買・管理をコスモ石油やコスモビジネスアソシエイツが行い、コスモエンジニアリングは製油所設備の建設・維持補修を担当しています。また、コスモトレードアンドサービスはカーケア用品の販売や保険代理店業を行っています。

経営方針

コスモエネルギーホールディングスは、エネルギー変革期における中長期ビジョン「Vision 2030」を掲げ、「未来を変えるエネルギー、社会を支えるエネルギー、新たな価値を創造する。」をスローガンにしています。このビジョンのもと、同社は持続可能な成長を目指し、エネルギーの多様化と新たな価値創造に取り組んでいます。

同社の第7次連結中期経営計画では、「Oil & New ~Next Stage~」をスローガンに掲げ、企業価値の向上を目指しています。具体的には、「収益力の確保」「成長に向けたNew領域の拡充」「三位一体の資本政策実現」「経営基盤の変革」の4つの基本方針を設定し、非財務資本の活用による事業戦略の実現を図っています。

収益計画では、石油事業の構造改善と新事業の収益拡大により、2025年度には経常利益1,650億円を目指しています。資本政策では、株主還元、財務健全性、資本効率を三位一体で実行し、企業価値の最大化を図ります。これにより、株主への利益還元を最大限に拡大する方針です。

経営基盤の変革では、HRX(Human Resources Transformation)、DX(Digital Transformation)、GX(Green Transformation)を中心に進めています。具体的なKPIとして、エンゲージメント指数の改善や人材育成投資の強化、データ活用コア人材の育成、GHG排出量削減を掲げています。

石油事業では、製油所の高稼働を維持しつつ、デジタルツインやAPMの導入でDXを強化しています。カーライフ事業では、デジタル化を進め、アプリを通じた顧客とのつながりを強化し、サービスの利便性を向上させています。

石油化学事業では、高効率操業と機能化学品の生産拡大を目指しています。特に、半導体レジスト用樹脂の生産拡大に注力し、競争力を高めています。また、パラキシレン製造事業からの撤退を決定し、事業ポートフォリオの最適化を図っています。

石油開発事業では、ヘイル油田の生産量最大化を目指し、既存油田の安定生産を継続しています。さらに、新たに取得した海上探鉱鉱区での探鉱作業を進め、商業生産の可能性を調査しています。

再生可能エネルギー事業では、風力発電を中心にグリーン電力サプライチェーンの構築を進めています。陸上風力では新規サイトの開発を進め、2030年度には約900MWの規模を目指しています。洋上風力では、2030年に1,500MW超の設備容量を目指し、収益性を確保しつつプロジェクトを進めています。