クオリプスJP:4894

時価総額
¥745億
PER
この会社は、ヒトiPS細胞由来の再生医療製品の開発・商業化、特に心筋細胞シートの製造・販売、及びCDMO事業を通じて、重症心不全治療等に貢献する事業を展開しています。

沿革

2017-03国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」)の発明(主に再生医療)を実用化・事業化する目的で設立された株式会社セルキューブが、ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの事業化のために、神奈川県横浜市西区において株式会社Cuore(当社)を創業・設立
2017-06株式会社セルキューブより、ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートに関する事業譲渡を受け、大阪大学との産学連携の共同研究講座「最先端再生医療学共同研究講座」を承継
(共同研究講座は二度の延長により2025年9月まで継続)
商号を株式会社Cuoreからクオリプス株式会社に変更
2017-09ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの製造販売承認の取得を目的として第一三共株式会社と共同研究開発契約を締結
2018-02大阪大学吹田キャンパス内に研究施設(共同研究講座)を開設(当社阪大ラボ)
2018-03大阪大学の研究チームがヒトiPS細胞由来心筋細胞シートを用いた虚血性心疾患に関する臨床研究の試験計画を大阪大学内で申請
2018-06東京都中央区に本店を移転
2019-10ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートを用いた虚血性心疾患に関する医師主導治験の治験届を大阪大学が独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出(当社は同医師主導治験を支援)
2020-01同医師主導治験(コホートA)の開始(1例目の移植)
2020-08大阪府箕面市において自社研究施設を兼ね備えた商業用細胞培養加工施設「CLiC-1」(Cuorips Labo-integrated Cell Processing Facility for Advanced Therapy 1st)の稼働を開始
2020-11同医師主導治験(コホートA)終了(3例目の移植完了)
2021-09CLiC-1が厚生労働省近畿厚生局より「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)」第35条第1項に基づく「特定細胞加工物製造許可」(施設番号:FA5210001)を取得
2022-04朝日インテック株式会社と共同研究開発契約を締結
2022-08同医師主導治験(コホートB)が開始され、順天堂大学医学部附属順天堂医院において移植手術を実施(1例目の移植)
2023-03同医師主導治験(コホートB)終了(5例目の移植完了)
2023-06東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2023-10国立大学法人新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野と共同研究契約締結
2023-11経済産業省が米国・シリコンバレーに開設したビジネス拠点への入居決定
2023-12東京都中央区に連結子会社としてクオリプスヘルスケアサイエンス株式会社を設立

事業内容

クオリプスは、ヒトiPS細胞由来の再生医療製品の開発・商業化と、独自の設計コンセプトに基づくラボ一体型の商業用細胞培養加工施設「CLiC-1」を利用した製造開発受託(CDMO)事業を主軸に事業を展開しています。同社は、重症心不全の治療を目的としたヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの開発を進めており、この製品は他の再生医療製品と比較して構成する細胞数が多く、高い技術が要求されます。同社は、iPS細胞を大量の心筋細胞に分化誘導し、未分化細胞を高度に除去する技術を有しています。これらの技術を活用し、ベンチャー企業等へのCDMO事業を行っています。

また、同社は、大阪大学との共同研究開発や大手製薬企業とのアライアンスを通じて、心臓及びそれ以外の領域に係る再生医療製品の提供を目指しています。特に、大阪大学との共同研究開発では、ヒトiPS細胞を用いた重症心不全治療の実用化を目的としており、大阪大学による医師主導治験で使用されるヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの製造を行っています。

さらに、同社は、CDMO事業を通じて、研究開発ラボと商業用細胞培養加工施設を一体化したCLiC-1を活用し、アカデミアや製薬企業、医療機器メーカー等との共同研究開発アライアンスを推進しています。これにより、探索研究から商用生産までワンストップで提供し、再生医療分野の迅速かつ健全な普及発展に寄与しています。

クオリプスは、再生医療等製品の開発・商業化だけでなく、CDMO事業を通じて、再生医療技術の実用化に向けた積極的な事業展開を進めています。

経営方針

クオリプスは、再生医療分野における革新的な取り組みを推進している企業です。同社の成長戦略は、ヒトiPS細胞由来の再生医療製品の開発・商業化と、独自の設計コンセプトに基づくラボ一体型の商業用細胞培養加工施設「CLiC-1」を利用した製造開発受託(CDMO)事業の二軸に集約されます。特に、重症心不全治療を目的としたヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの開発に力を入れており、この分野での技術革新を目指しています。

同社は、大阪大学との共同研究開発を通じて、ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの研究開発を推進し、日本国内での製造販売承認申請や適用拡大を目指しています。また、海外市場への展開や大手製薬企業との提携も視野に入れ、再生医療製品の普及を図っています。これらの取り組みは、再生医療分野における将来の市場拡大を見据えた戦略的な動きと言えます。

CDMO事業においては、同社はアカデミアや製薬企業、医療機器メーカー等との共同研究開発アライアンスを推進し、探索研究から商用生産までワンストップでのサービス提供を目指しています。この事業を通じて、再生医療技術の実用化に向けた基盤を強化し、分野の発展に貢献しています。

クオリプスは、再生医療等製品の研究開発とCDMO事業の両軸を中心に、再生医療分野における革新的な技術開発と事業展開を進めています。これらの取り組みは、同社が目指す「こころ動かそう いのちつなごう」という経営理念に基づき、世界中の人々の健康と人生に貢献する新たな医療の創出に向けたものです。