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ウェザーニューズJP:4825
事業内容
ウェザーニューズは、サポーターや顧客とともに気象や海象、地象などのデータを収集し、高精度な予測値をもとにした対応策コンテンツを法人向けと個人向けに展開しています。同社は独自の気象データベースと予測モデルを基に、リスクの可視化や意思決定支援を行っています。
主要顧客は海運・港湾、航空、道路・鉄道、エネルギー事業者や放送局などインフラ・交通分野が中心で、運航や現場判断の支援を通じて収益を得ています。収益構造は継続的に提供するストック型が基本で、法人向けの契約収入に加え、アプリやメディアを通じた個人向けサービスの売上で成り立っています。
事業は海・空・陸・インターネットの四つの領域に分かれており、海域では最適航路や港湾作業支援、空域では航空機や救急ヘリの運航支援、陸域では道路・鉄道の安全支援や電力・再生可能エネルギーの発電量予測、インターネット領域ではアプリや動画番組による気象情報配信を行っています。加えて、日本を中心としたグローバルセンターと海外拠点で24時間体制の運営を行い、サポーター参加型の価値共創でサービス価値を高めています。
経営方針
同社は中期経営計画(2024年5月期からの3年間)を通じて、継続的な売上げを生むストック型ビジネスの拡大を成長戦略の軸に据えています。具体的には、2026年5月期に売上高25,000百万円(約250億円)、営業利益5,000百万円(約50億円)、経常利益5,000百万円(約50億円)、親会社株主に帰属する当期純利益3,500百万円(約35億円)を見込んでおり、売上高成長、営業利益率の改善、ROE向上を主要な経営指標に設定しています。通期の数値目標を掲げることで、定期課金型のクラウドサービスや法人向け契約の拡大を企業価値向上に直結させることを目指しています。
同社は差別化の源泉として「世界最大のデータベース」「業界トップレベルの予報精度」「幅広いコミュニティ(サポーター)」を掲げています。重点投資分野としてプロダクト開発費、気象データとクラウド基盤への投資、グローバルの気象データ取得、および各領域での広告投資を計画しており、これらを通じて法人向けのSaaS的な継続課金モデルと消費者向けのサブスクリプション/広告収入の両輪で収益を拡大することを想定しています。顧客成功(カスタマーサクセス)体制の強化により導入後の定着率を高め、単なるデータ提供ではなく意思決定支援を伴うソリューションとして差別化を図っています。
新市場開拓や事業拡大では、ドメイン別に具体的な展開を進めています。海域(Sea Domain)では新プロダクトの海外展開とグローバル顧客へのサービス拡充を進め、空域(Sky Domain)は国内のヘリ市場やアジアの航空市場を重点ターゲットとしています。陸域(Land Domain)ではインフラ事業者へのWxTech(気象技術)サービスの営業・サポート強化による導入拡大、インターネット領域ではアプリやメディアを通じたサブスクリプションと広告収入の確固たる地位確立を通じて付加価値を伸ばす計画です。加えて、24時間体制の運営拠点や海外拠点の活用でグローバルな商談・運用体制を強化しています。
技術革新への取り組みでは、同社は高精度予測モデルとサポーターによる観測データを統合することで、リスクの可視化や現場で使える対応策コンテンツの精度向上を目指しています。具体的施策としては、モデル改良のための研究開発投資、クラウド基盤の拡充によるデータ処理能力の向上、外部データの積極的な取得と統合、そしてプロダクトのSaaS化による継続的な機能アップデートを推進しています。これらにより、同社は「Full Service ‘Weather & Climate’ Company」および気象コンテンツ・メーカーとして、顧客の現場判断を支える技術優位を確立することを目指しています。