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第一三共JP:4568
事業内容
第一三共は、医薬品の製造販売を主な事業内容とする企業グループです。グループは、第一三共とその子会社48社、関連会社2社で構成されています。第一三共は、医薬品の研究開発、製造、販売を行っており、国内外で幅広い事業を展開しています。
国内では、第一三共プロファーマと第一三共ケミカルファーマが医薬品の製造を担当しています。また、第一三共ヘルスケアは一般用医薬品の研究開発と販売を行い、第一三共バイオテックはワクチンの研究開発と製造を手がけています。これらの子会社は、第一三共に製品を供給しています。
海外では、米国において第一三共U.S.ホールディングスのもと、第一三共Inc.が医薬品の研究開発と販売を行っています。欧州では、第一三共ヨーロッパGmbHとそのグループ会社が医薬品の研究開発、製造、販売を担当しています。その他の地域では、中国やブラジルなどで医薬品の研究開発、製造、販売を行っています。
第一三共ビジネスアソシエは、第一三共および国内グループ各社に対して人事や経理などの事務サービスを提供し、不動産賃貸や保険代理業務も行っています。これにより、グループ全体の業務効率を高めています。
経営方針
第一三共は、ESG経営を基盤に、財務的価値と非財務的価値の両方を高めることを目指しています。特に「サイエンス&テクノロジー」を競争優位の源泉とし、社会やステークホルダーに価値を提供することで、持続的な成長を実現しようとしています。
2030年ビジョンとして、第一三共は「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」を掲げています。このビジョンの実現に向け、革新的医薬品の創出やSDGsへの取り組みを通じて、世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献することを目指しています。
第5期中期経営計画(2021年度-2025年度)では、ESG経営を実践しつつ、2025年度までに「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」となることを目指しています。この計画には、3ADCの最大化や既存事業の利益成長、さらなる成長の柱の構築、ステークホルダーとの価値共創が含まれています。
第一三共は、3ADC(エンハーツ、Dato-DXd、HER3-DXd)の最大化を最重要課題とし、アストラゼネカとの提携を通じて市場浸透を加速しています。また、HER2やTROP2を標的とする競合品に対する優位性を確立し、がん治療における新たなコンセプトの定着を目指しています。
既存事業の利益成長も重視しており、リクシアナやタリージェ、Nilemdoなどの新製品の売上拡大を図っています。これにより、がん以外の新薬事業においても持続的な成長を目指し、収益性の高い製品の売上を拡大しています。
さらに、第一三共は、3ADCに次ぐ成長ドライバーを見極めるため、マルチモダリティ研究戦略を推進しています。LNP-mRNA技術を活用し、ワクチン事業の成長を図るなど、ポストDXd ADCモダリティの選定を進めています。
ステークホルダーとの価値共創も重要視しており、患者中心のマインドセットを強化し、社会・環境課題への取り組みを進めています。再生可能エネルギーの活用やワクチン供給体制の整備を通じて、社会貢献を果たしています。
第一三共は、データ駆動型経営を実現するため、DX推進を進めています。グローバルマネジメント体制を強化し、迅速な意思決定を実現することで、戦略の実行を支える基盤を強化しています。
株主還元方針として、利益成長に応じた増配や自己株式取得を実施し、株主価値の最大化を目指しています。2025年度には、株主資本配当率(DOE)を8%以上とする目標を掲げています。