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扶桑薬品工業JP:4538
沿革
1937-03 | 国産ブドウ糖の販売を主事業として大阪市南区(現・大阪市中央区)に株式会社大和商会の商号で設立 |
1942-12 | 時局の進展にともないブドウ糖が一元的配給統制になったため、ブドウ糖を原料とする注射液の製造へ転換を企図、商号を扶桑産業株式会社に変更 |
1943-06 | 大阪市東成区に今里工場を設置し、ブドウ糖注射液、リンゲル液、生理食塩液などの注射液の製造販売を開始 |
1949-03 | 商号を扶桑薬品工業株式会社に変更 |
1953-07 | 本社を大阪市東区(現・大阪市中央区)に移す |
1957-03 | 大阪市城東区に城東工場設置、今里工場は廃止 |
1964-04 | 大阪市城東区に京橋工場設置、内用剤分野の拡張強化 |
1964-08 | 我が国で最初の透析液として人工腎臓灌流原液を開発し供給開始 |
1969-04 | 人工腎臓用透析液キンダリー液を開発発売 |
1970-10 | 大阪証券取引所市場第二部に株式上場 経営多様化のため子会社扶桑興発株式会社を設立 |
1973-02 | 大阪市城東区(京橋駅付近)に文化・スポーツセンター扶桑会館竣工、扶桑興発株式会社に賃貸し経営委託 |
1973-11 | 小型ディスポーザブル血液透析器開発、医療用機器分野へ進出 |
1979-12 | 大阪府大東市に大東工場設置、内用剤生産工場として操業開始、これに伴い京橋工場は閉鎖 |
1981-03 | 城東工場(大阪市城東区)の隣接地に研究開発センター竣工 |
1983-09 | 大阪証券取引所市場第一部に株式上場 |
1985-05 | 岡山県浅口郡里庄町に岡山工場設置 |
1989-12 | 東京証券取引所市場第一部に株式上場 |
1994-04 | 本社所在地に扶桑道修町ビル竣工 |
1995-05 | 茨城県北茨城市に茨城工場設置 |
2001-01 | 東京都中央区に扶桑日本橋ビル完成 |
2007-01 | 扶桑興発株式会社のスポーツ事業(ボウリング等)を廃止 |
2013-03 | 扶桑興発株式会社を清算結了 |
2016-04 | 茨城工場(茨城県北茨城市)に第2製剤棟設置 |
2022-04 | 東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行 |
2024-01 | 茨城工場(茨城県北茨城市)第2製剤棟の人工腎臓用粉末型透析剤製造設備新規ライン稼働 |
事業内容
扶桑薬品工業は、医療用医薬品及び医療用機械器具の製造販売を主軸に事業を展開しています。具体的には、輸液を中心とする注射剤や人工腎臓用透析剤などの医療用医薬品の製造販売に加え、これらの医薬品の製造受託も手がけています。これらの製品は、医療現場での需要が高く、扶桑薬品工業の技術力と品質管理が高く評価されている分野です。
また、同社は不動産事業も展開しており、賃貸不動産の運営を行っています。このセグメントでは、所有する不動産資産を活用した賃貸業務を通じて、安定した収益基盤の構築を目指しています。
扶桑薬品工業の事業は、医薬品事業と不動産事業の二つの柱で成り立っており、医療分野での専門性と不動産分野での安定収益が同社の強みとなっています。医薬品事業では、高い技術力を背景にした製品提供が、不動産事業では資産運用による安定した収益が、それぞれの市場で同社の競争力を支えています。
経営方針
扶桑薬品工業は、医療用医薬品の製造販売を主力事業としており、特に血液体液用薬に強みを持つ企業です。同社は、社会の高齢化と医療技術の進歩を背景に、医療ニーズの増大に対応するため、医薬品の開発と安定供給に注力しています。経営の基本方針として、持続的かつ安定的な企業価値の向上を重視し、関係者の期待に応えることを目指しています。
中期経営戦略の中心には、人工腎臓用透析剤の需要見通しをポイントとしています。岡山・茨城両工場の生産性向上を図りつつ、新しい医療ニーズに応える製品の開発に力を入れ、透析関連製品と並ぶ新たな主力製品群の確立を目指しています。また、安定供給への責任を重視し、自然災害やパンデミックへの対策を強化しています。
財務上の課題としては、製品が重量物であるために物流コストの上昇が大きな影響を及ぼしており、売上原価や販売費及び一般管理費の削減が求められています。これに対応するため、市場へのさらなる浸透による販売強化や、新規透析剤の開発、製品ラインアップの拡充を進めています。さらに、品質管理の徹底や既存技術の活用を通じて、新たな収益源の開拓や製品原価率の低減を図っています。
扶桑薬品工業は、医薬品事業における技術力と品質管理、不動産事業における安定収益を軸に、経営基盤の強化と企業価値の向上に努めています。新型コロナウイルス感染症の拡大という不透明な経済環境の中でも、安定供給の社会的使命を果たしつつ、全ステークホルダーからの信頼を維持し続けることを目標にしています。