JMDCJP:4483

時価総額
¥2758.9億
PER
37.3倍
ヘルスビッグデータと遠隔医療の2つの事業セグメントを持ち、健康データ提供や遠隔読影サービスを展開する企業。

事業内容

JMDCは、オムロン株式会社を親会社とする企業集団に属し、子会社38社と共に事業を展開しています。JMDCの事業は「ヘルスビッグデータ」と「遠隔医療」の2つのセグメントに分かれています。

ヘルスビッグデータセグメントでは、インダストリー向け事業、保険者・生活者向け事業、医療提供者向け事業の3つの主要な事業を展開しています。インダストリー向け事業では、製薬企業や保険会社に対し、匿名加工化された疫学データを提供しています。

保険者・生活者向け事業では、健康保険組合に対する保健事業の支援や、加入者に対するPHRサービスを提供しています。健康情報プラットフォーム「Pep Up」を通じて、健診結果や医療費通知などを表示し、健康管理をサポートしています。

医療提供者向け事業では、薬剤DB事業や医療機関向けのコンサルティングを行っています。薬剤DB事業では、医薬品情報を基にしたデータベースを開発し、医療系システム会社に提供しています。

遠隔医療セグメントでは、株式会社ドクターネットを通じて、医用画像の遠隔診断サービスを提供しています。CTやMRIの診断依頼を遠隔で受け付け、契約読影医による診断レポートを提供することで、放射線診断専門医の不足を補っています。

経営方針

JMDCは、「健康で豊かな人生をすべての人に」を企業理念に掲げ、医療費の増大や地域格差、生活習慣病の増加といった社会課題に対し、データとICTを活用して解決を目指しています。特に、日本が直面する超高齢化社会の課題を解決するノウハウを、将来的にはアジア諸国にも展開することを視野に入れています。

同社の中長期的な経営戦略は、データ利活用サービスの取引額を最大化することにあります。製薬企業や保険会社、アカデミアに対して、データの高付加価値化と種類の拡充を通じて、サービスの幅を広げ、顧客あたりの取引額を高める方針です。また、健康情報プラットフォーム「Pep Up」を活用し、データの相乗効果を引き出すことで、医療や健康に関する因果関係の解析を進めています。

さらに、JMDCは医療の高度化と効率化を目指し、データ利活用による価値創出に注力しています。遠隔医療セグメントでは、AI技術を活用した診断支援を提供し、医療費抑制に貢献しています。また、オムロン株式会社との提携により、予防ソリューションの開発や海外展開も進めています。

同社は、PHRサービス「Pep Up」を国民的なものへと普及させ、医療の個別化やアウトカムベースでの医療を実現することを目指しています。健康保険組合や企業と協力し、データを用いた介入策を立案し、効果測定を行うことで、医療費の抑制に貢献する方針です。これにより、国民医療費の抑制を通じた収益化を目指しています。