インフキュリオンJP:438A

時価総額
PER
決済・金融プラットフォームの有力企業。Wallet Station、Xard、Winvoice、Anywhereなどの決済ソリューションを展開。2024年8月にSMBCグループと資本業務提携、2025年4月にTrunk開発参画。国内で稼働端末ID16万件以上。

事業内容

インフキュリオンは、企業向けに決済や金融機能をクラウドプラットフォームで提供する「決済イネーブラー」です。同社はカード発行やデジタルウォレット、請求書のカード支払いなど、企業が自社サービスに組み込める決済・金融機能をAPIやSaaS形式で展開しています。

同社の主要顧客は大手金融機関からフィンテック企業、事業会社や加盟店まで幅広く、銀行やカード会社と連携して導入支援も行っています。収益は導入時の開発や端末販売によるフロー収入、月額や決済量に応じたストック収入、そしてコンサルティング収入で構成され、ストック収入の比率増加で継続的な成長を目指しています。

同社は事業をペイメントプラットフォーム、マーチャントプラットフォーム、コンサルティングの3セグメントで運営しています。主力製品としてWallet Station(ウォレット構築)、Xard(国際ブランドカード発行基盤)、Winvoice(請求書支払いプラットフォーム)、Anywhere(店舗向け端末・ゲートウェイ)などを提供し、決済処理センターの運用や24時間対応体制で多数の端末接続を支えています。

経営方針

同社は中長期的にペイメントプラットフォーム事業を成長の核と位置づけ、具体的な数値目標を掲げています。BtoB決済処理金額(BtoB GTV)については年平均成長率で約50%を目指しており、連結売上高は年平均約25%成長、売上総利益は年平均30%以上の成長を目標としています。合わせて連結EBITDAの利益率を15%以上に高めることを目標に、ストック収入(定額課金や決済量に応じた継続収入)の比率を引き上げ、収益の安定化とキャッシュ創出力の強化を図ることを目指しています。

同社は決済の「イネーブラー」として、発行(カード発行)から加盟店管理、決済処理まで一気通貫で提供する点を差別化の柱としています。フルクラウドでAPIを通じて機能を提供することで、大手金融機関でも新機能を低コスト・短期間で導入できる環境を整備しており、SaaS事業者や中小企業の参入障壁を下げることで顧客基盤を広げることを目指しています。具体的には国際ブランドカード発行基盤のXardや請求書決済のWinvoice、ウォレット構築などを通じて、導入企業の運用負担やシステムコストを削減する施策を進めています。

同社は新市場開拓と事業拡大において、チャネル拡大と大手連携を両輪にしています。SaaS企業経由での導入拡大に加え、2024年のSMBCグループとの提携を通じて法人向けプラットフォーム「Trunk」にXardやWinvoiceを組み込み、リリース後3年で30万口座・預金3兆円という目標達成に寄与する計画を進めています。また、大手企業や金融機関向けには導入時のプロジェクト管理や品質保証、既存システムとの接続支援といったインテグレーション機能を強化し、BtoB決済市場(市場規模は1,163兆円)でのシェア拡大を目指しています。

同社は技術革新と安全性の強化にも注力しており、プラットフォームはフルクラウドのAPIベースで拡張性を確保しています。人工知能(AI)による不正検知や与信審査の自動化、決済に関わるオペレーションの効率化を早期に実装することを目指すとともに、情報セキュリティ面ではISO/IEC 27001やカード情報保護基準(PCI‑DSS)の認証取得などで安定稼働と信頼性の確保に取り組んでいます。これらの技術投資と人材確保により、導入企業の利便性向上と同社のストック収入拡大を実現することを目指しています。