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デンカJP:4061
事業内容
デンカ株式会社は、60の子会社と20の関連会社から成る企業グループで、主に4つの事業セグメントを展開しています。これらのセグメントは「電子・先端プロダクツ」、「ライフイノベーション」、「エラストマー・インフラソリューション」、「ポリマーソリューション」です。
「電子・先端プロダクツ」セグメントでは、溶融シリカや球状アルミナ、電子回路基板、ファインセラミックスなどを製造・販売しています。国内外での製造・販売を行い、シンガポールや中国、ベトナムなどでの活動が活発です。
「ライフイノベーション」セグメントでは、ワクチンや抗原迅速診断キット、がん治療ウイルス製剤などを手がけています。国内での製造・販売に加え、ドイツやシンガポールでの研究開発も行っています。
「エラストマー・インフラソリューション」セグメントでは、クロロプレンゴムや肥料、耐火物などを提供しています。米国や中国、東南アジアでの製造・販売が行われ、特にクロロプレンゴムの製造が注目されています。
「ポリマーソリューション」セグメントでは、スチレンモノマーやABS樹脂、食品包装用シートなどを製造・販売しています。国内外での活動があり、シンガポールでのスチレン系樹脂の製造が特徴的です。
その他の事業として、プラントエンジニアリングや卸売業、電力供給事業なども展開しています。デンカエンジニアリングやYKアクロス、黒部川電力などの子会社や関連会社がこれらの事業を担っています。
経営方針
デンカ株式会社は、2023年度から「Mission 2030」という中期経営計画を推進しています。この計画は「事業価値創造」「人財価値創造」「経営価値創造」の3つの成長戦略を掲げ、企業価値の向上を目指しています。特に、ICT & Energy、Healthcare、Sustainable Livingの3つの注力分野に重点を置き、2030年までにこれらを「3つ星事業」とすることを目指しています。
デンカは、事業価値創造の一環として、ポートフォリオ改革を進めています。クロロプレンゴム事業の抜本的対策として、米国の製造子会社であるデンカパフォーマンスエラストマー社の製造設備を暫定停止し、事業譲渡や資産譲渡の可能性を検討しています。また、大船工場の稼働停止を決定し、合繊かつら用原糸「Toyokalon®」の事業をシンガポールに集約するなど、構造改革を進めています。
さらに、デンカは投資計画の見直しを行い、投資支出を1,000億円削減することを目指しています。重要な投資案件には経営資源を集中させ、成長に不可欠な分野への投資を継続しています。特に、ICT & Energy分野では次世代高機能球状フィラーや窒化ケイ素の生産能力増強を進めています。
デンカは、全社を挙げたコストダウンプロジェクトを推進し、2024年度には約13億円のコスト削減を実現しました。2026年度までに100億円のコストダウンを目指し、引き続き効率化を図っています。これらの施策を通じて、デンカは業績の成長軌道への回帰を目指しています。