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日産化学JP:4021
事業内容
日産化学は、化学品事業、機能性材料事業、農業化学品事業、ヘルスケア事業、卸売事業、その他の事業の6つの事業セグメントを持っています。
化学品事業では、基礎化学品として硫酸、硝酸、アンモニアなどを提供しています。また、ファインケミカル分野では、特殊エポキシや難燃剤、殺菌消毒剤などを手がけています。
機能性材料事業では、ディスプレイ材料として液晶表示用のポリイミドを提供し、半導体材料として反射防止コーティング材を製造しています。無機コロイド分野では、電子材料用研磨剤や表面処理剤を扱っています。
農業化学品事業では、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、植物成長調整剤などの農薬を提供しています。また、動物用医薬品原薬も取り扱っています。
ヘルスケア事業では、高コレステロール血症治療薬の原薬を製造しています。また、課題解決型の受託事業であるファインテックも展開しています。
卸売事業では、化学品の卸売を行っており、日星産業などが関連会社として関与しています。
その他の事業には、肥料の製造、造園緑化、運送、プラントエンジニアリング、硫酸の製造、電子材料の製造販売などが含まれています。日本肥糧や日産物流などが関連会社として活動しています。
経営方針
日産化学は、2022年度に6ヵ年の中期経営計画「Vista2027」を開始しました。この計画は、2022年度から2024年度までのStageⅠと、2025年度から2027年度までのStageⅡに分かれています。StageⅠでは、営業利益の最高益を更新したものの、数値目標には未達でした。これを受け、同社は新製品・新事業の創出や経営資源の適切な配分、化学品セグメントの収益性改善を主要課題としています。
StageⅡでは、売上高2,930億円、営業利益650億円を目標に掲げ、新製品の創出を最重要課題としています。基本戦略として「現有事業の利益拡大」、「2030年を見据えた新製品の開発」、「事業基盤の強化」の3つを設定しています。特に、機能性材料や農業化学品セグメントへの投資を強化し、既存製品や新製品の販売・開発を進める方針です。
新製品開発では、環境エネルギーや情報通信、ライフサイエンス領域に注力しています。具体的には、二次電池材料や半導体向け材料の開発を加速し、ライフサイエンスでは新規動物薬や核酸医薬品の創出を目指しています。また、外資企業との協業を通じて新たなコア技術の獲得を推進しています。
事業基盤の強化においては、人材育成と研究開発の基盤拡充を重視しています。社員の自己研鑽を促進し、データサイエンティストの育成や最先端技術の活用を通じて、研究開発の効率化を図ります。また、知的財産戦略を強化し、競争優位性を高めることを目指しています。
日産化学は、持続可能な社会への貢献を目指し、温室効果ガス排出量の削減やダイバーシティの推進を進めています。2027年度までに、社会課題解決に貢献する製品・サービスの売上高比率を60%以上に引き上げることを目標としています。これにより、同社は市場からの評価を高め、信頼される企業グループの実現を目指しています。