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ペイクラウドホールディングスJP:4015
事業内容
ペイクラウドホールディングスは、キャッシュレスサービス、デジタルサイネージ関連、ソリューションの三つの柱でITサービスを展開しています。特に、店舗や企業向けの独自Payやポイントを提供する「バリューカード」型のキャッシュレスSaaS、デジタルサイネージの配信・運用サービス「Cloud Exa」、大量メール配信などのメッセージングサービスが主力です。
同社の顧客は主にBtoBおよびBtoBtoCの企業で、地域密着のスーパーマーケットや飲食店、多店舗展開企業、コンビニ、金融機関、空港や自治体など多岐にわたります。収益構造は月額利用料や決済手数料などの継続的なリカーリング収入と、導入費や機器販売・工事などのスポット収入に分かれ、事業ごとに割合が異なります(キャッシュレスはリカーリングが約75%、サイネージはスポットが約90%、メッセージングはリカーリングが約94%)。
各事業の中身はわかりやすく分かれています。キャッシュレス事業は独自Payの電子マネー・ポイント・販促機能やオンラインチャージ、コード決済などを一括で提供し顧客の顧客囲い込みを支援しています。デジタルサイネージ事業は機器選定・設置からコンテンツ制作、配信システムと保守までワンストップで提供し、情報の一元管理を可能にします。ソリューション事業は高速メール配信やAPI連携、ターゲティングや効果測定機能を持つメッセージングをSaaSやオンプレミスで提供し、業務の自動化と安定配信を支えています。
経営方針
同社はキャッシュレスサービス事業とデジタルサイネージ関連事業を「成長投資事業」、ソリューション事業を「安定収益事業」と位置づけ、継続的なリカーリング収入の拡大を成長戦略の中核に据えています。国内のキャッシュレス決済市場は2024年に約141兆円規模と推計され、同年のキャッシュレス決済比率は42.8%に達しているため、同社は独自Payの決済取扱高や顧客数、エンドユーザーIDの増加を主要な成長指標として拡大を目指しています。事業別の収益構造ではキャッシュレスがリカーリング収入約75%、デジタルサイネージはスポット収入が約90%、メッセージングはリカーリングが約94%と、分野ごとに収益の柱を明確にしながら全体の安定化を図っています。
同社は重点投資先として独自Payやポイント・販促機能を中心としたキャッシュレス基盤、デジタルサイネージの配信・運用サービス「Cloud Exa」、および大量メール配信などのメッセージングを挙げています。差別化策としては、導入・施工から運用・保守までワンストップで提供できる体制や、キャッシュレスとサイネージを組み合わせた顧客囲い込み施策の推進、代理店やサービス連携パートナーを活用した営業力強化に注力しています。2024年3月のクラウドポイント経営統合によりサイネージのワンストップ提供能力が高まり、共通顧客基盤への営業効率化で早期収益化を目指しています。
同社は新市場の開拓と事業拡大において、国内の多店舗展開企業(飲食チェーン、スーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニ等)や自治体、金融機関、空港などを主要ターゲットとし、受注先の大型化に対応する体制整備を進めています。海外ではシンガポール、タイ、インドに現地法人を設置しており、現地代理店や提携先との協業、場合によりM&Aも視野に入れた現地適応型のサービス展開でアジア主要国での実績確立を目指しています。事業評価のために、累計サイネージ設置面数やリカーリング売上の解約率、取引社数といった客観指標を用いて進捗管理を行っています。
同社は技術革新を通じた競争力強化にも積極的に取り組んでいます。具体的には、より大規模な処理に対応し多機能を搭載した独自Payプラットフォームの開発、現地決裁型ふるさと納税システム「ふるまちPay」や銀行口座等からのチャージ機能の整備、レシート販促のデジタル化によるインスタントウィン型サービス、新機能を備えたサイネージ用セットトップボックスや他社システムと連携しやすい多様なAPIの開発を進めています。並行してサーバ処理能力の増強やクラウド活用によるディザスタリカバリー体制の整備、個人情報保護の強化(プライバシーマーク取得等)でシステムの安定性と信頼性を高めることを目指しています。