アイスタイルJP:3660

時価総額
¥420.6億
PER
16.1倍
化粧品・美容業界向けの業界横断型プラットフォームの最大手。口コミサイト『@cosme』を基盤とした広告ソリューション、データドリブン施策、ECと実店舗を展開。2025年6月時点で連結子会社19社を保有。日本・中国・シンガポール・香港を中心に展開。

事業内容

アイスタイルは、化粧品・美容分野に特化したプラットフォーム事業を展開しています。主力は口コミサイト「@cosme」を軸にした情報メディアで、それを基に広告やデータを活用したマーケティング支援を行っています。

主要な顧客は化粧品メーカーや小売業者で、広告出稿やデータ分析サービス、さらには自社チャネルでの販売を通じて収益を得ています。同社はメディアの影響力と販売チャネルを組み合わせることで、広告収入と商品販売の両面で収益を確保しています。

事業は大きくマーケティング支援、リテール、グローバル、その他の四つに分かれています。マーケティング支援は広告やデータ活用、リテールは自社のネット販売や実店舗運営、グローバルは海外での販売やメディア展開、その他では美容部員の派遣や有料のユーザー向けサービス、成長企業への投資育成を手掛けています。

経営方針

同社は「生活者中心の市場の創造」を掲げ、口コミサイト「@cosme」(1999年開始)を中核に据えたプラットフォームの質向上と事業成長を目指しています。国内女性人口の約3分の1を超える月間利用者という既存のユーザーベースを活用し、メディア、EC、店舗、人材サービスを連携させることで広告収入と商品販売の双方からの収益確保を進め、国内外での事業拡大により持続的な成長を図っています。

同社はデータ活用と顧客基盤の拡大を重点投資領域と位置付けています。創業以来蓄積したクチコミや行動データをもとに、パーソナライズされたサービス提供やブランド向けコンサルティング、AIによるクチコミ分析ツールの提供を進めており、ECと実店舗の相乗効果で新規顧客獲得とリピート促進を狙っています。これに伴い、エンジニアの採用・育成や継続的なシステム投資を実行し、情報セキュリティ体制の強化も同時に進めています。

同社はBEAUTY領域の拡大と海外事業の再構築にも取り組んでいます。化粧品に限らずインナーケアやエイジングケアなど広義の美容市場へ製品・サービスを拡げる計画で、感度の高い@cosmeユーザーへの効率的なエンゲージメントを通じて市場シェアを拡大する方針です。海外については過去の経験から収益性改善を最優先とし、資金や人材の配分を見直して中長期の成長を目指す事業再編を進めています。

同社は技術革新を成長の原動力と位置付け、生成AIなど先端技術を取り入れたサービス開発を加速しています。オンラインとオフラインを一貫した体験として提供することに注力しつつ、AIで分析・提案を行う一方で、人の判断や実店舗での体験が価値を持つ領域との組み合わせによる差別化を図っています。加えて個人情報や機密データの適切な管理に向けた投資を継続し、信頼性の高いプラットフォーム構築を目指しています。