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伊澤タオルJP:365A
事業内容
伊澤タオルは、日用品としてのタオルに特化した企画・開発・販売を行うファブレスメーカーで、自社ブランド「タオル研究所」を軸にECでの直販や小売向け製品、キャラクター商品などを展開しています。消費者目線で使い心地にこだわり、「悩んだらこのタオルを買えば間違いない」という標準を目指して商品設計と開発を進めています。
同社の主要な販売先はコンビニエンスストア、ドラッグストア、ディスカウントストア、ホームセンター、総合スーパー、EC事業者、玩具メーカーなどで、生活需要を中心に取引しています。売上構成はODM生産が約56.6%、キャラクターIP製品が約26.5%、EC販売が約16.9%(2025年2月期)となっており、ODMが収益の中核を担っています。
事業は大きくODM生産(委託先とともに設計から製造まで行う方式)、キャラクターIP製品、EC販売の三分野に注力しています。自社で研究開発や企画力を持ち、海外の大規模工場に製造委託することでコスト競争力と機動的な生産を両立し、販売データや特許・共同研究を活用して製品力を高めています。
経営方針
伊澤タオルは「タオルのグローバル・スタンダードを創出し、世界市場で存在感を示す」というビジョンの下、ODM生産・キャラクターIP製品・EC販売という三つのチャネルを成長の核としています。直近の売上構成(2025年2月期)はODMが約56.6%(5,557,558千円)、キャラクターIP製品が約26.5%(2,604,893千円)、ECが約16.9%(1,662,908千円)で、同社はこの三本柱をさらに伸ばすことで中期的な事業拡大と収益率の改善を図り、のれん償却前当期純利益の回復・拡大を重視して企業価値と株主価値の向上を目指しています(参考:前期1,304,609千円→当期780,073千円)。
重点投資分野として同社は企画・研究開発とブランド強化に資源を集中しています。自社ブランド「タオル研究所」を軸に、消費者の使い心地にこだわった商品設計を行い、特許や共同研究、販売データを活用して差別化を図っています。また、生産は海外の大規模工場に委託するファブレスモデルを採用し、為替変動に対しては為替予約取引などでリスクヘッジを行いながら業務効率化とスケールメリット創出により価格競争力を維持する方針です。
新市場開拓では、ECの強化とキャラクター市場への深耕を明確に打ち出しています。キャラクターIP市場は約2兆6,508億円規模、世界のバスタオル市場も約1兆5,725億円と大きく、同社はEC直販を拡大して自家需要を取り込みつつ、玩具メーカーやアミューズメント市場向けの景品需要、PB(プライベートブランド)を持つ大型小売店など多チャネルでの販路拡大を図る計画です。加えて生産地の多国化(中国・ベトナム・インド等)で供給の柔軟性を高め、機動的な生産地切替や複数拠点の確保でリスクを低減します。
技術革新については、機能性や抗菌性など付加価値の高いタオル開発、特許取得や外部研究機関との共同研究による製品強化、そして販売側ではECプラットフォームの改善やデータ活用による商品企画の高度化に取り組んでいます。さらに内部管理体制の強化やサステナビリティ経営にも投資し、素材の選定や人的資本の整備を通じて長期的に競争優位を築いていくことを同社は目指しています。