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ブレインパッドJP:3655
事業内容
ブレインパッドは、企業のデータ活用による経営改善と新規事業創出を支援する企業です。同社はアナリティクスとエンジニアリングを組み合わせ、コンサルティングやシステム開発、独自のソフトウェア製品を通じてデータを価値に変えるサービスを提供しています。
顧客は金融・小売・メーカー・サービスなど幅広い業種に及び、導入実績は1,300社を超えます。同社の収益は、プロジェクト型のコンサルティング・開発収入と、製品の導入やクラウド利用に伴う継続的なライセンス・運用収入が組み合わさる構造です。
事業は大きくプロフェッショナルサービス事業とプロダクト事業に分かれ、前者でデータ戦略の設計や人材支援、システム構築を行います。後者では顧客データの統合・分析によるパーソナライズ(例:Rtoasterや生成AI搭載のレコメンド)、LINE特化のマーケティング自動化、需要予測やマッチングエンジン、消費者インサイト分析ツールなどを揃え、企画から運用まで一気通貫で支援する点が同社の強みです。
経営方針
同社は「データ活用で持続可能な未来をつくる」という目的の下、2024年6月期を初年度とする3か年の中期経営計画(2024–2026)を推進しており、本計画を「構造改革期」と位置づけて利益重視の経営に転換しています。評価指標として連結売上高、EBITDAマージン、ROEの3点を掲げ、計画最終年度の連結売上高140億円超を目標としています。第2年目には期初目標の10%超の売上成長と利益率維持を両立させており、最終年度ではM&Aを含む大胆な投資で成長をさらに加速させることを目指しています。
同社はプロフェッショナルサービス事業とプロダクト事業を重点投資分野と位置づけ、ここに経営資源を集中しています。プロフェッショナルサービスでは企業の内製化支援や人材育成、システム構築を通じてコンサルと実装を一気通貫で提供し、プロダクトでは顧客データの統合・分析に基づくレコメンドやマーケティング自動化、需要予測といった製品群を強化しています。生成AIを組み込んだ新製品「Rtoaster GenAI」やAIエージェント事業の早期収益化を目指すなど、分析力と開発力、運用サービスを組み合わせた点で差別化しています。
同社は事業拡大の主軸にM&Aと子会社設立を据えており、既に第1号案件として株式会社アクティブコアの子会社化を実行しました。今後も戦略的な買収で非連続的な成長を図ると同時に、AIエージェントなど新規事業の子会社化や製品のクラウド化で継続収益を拡大し、金融・小売・メーカー・サービスといった既存の幅広い顧客基盤を起点に隣接市場へ展開していく計画です。国内のIT人材不足や内製化ニーズに応えることで、日本企業のデジタル競争力向上にも貢献することを目指しています。
同社は技術革新を経営の中核に据え、生成AIの社内適用で専門人材の生産性を高める取り組みを進めています。具体的には業務プロセスへのAI適用で提供効率と品質を向上させるとともに、技術を実用的な製品へと転換する投資を継続しています。加えて人材のリスキリングや「技術と人材のサプライチェーン再構築」に注力し、進化する技術を短期間で顧客価値に結びつけることで、EBITDAマージンやROEといった財務指標の改善につなげることを目指しています。