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トーカロJP:3433
事業内容
トーカロは、溶射加工を中心に、表面改質加工を手がける企業です。溶射加工では、半導体やフラットパネルディスプレイ製造装置の部品、発電用ガスタービン、電力貯蔵用電池、各種軸受類などの産業用機械部品に対して、金属やセラミックスを高温で吹き付け、耐摩耗性や耐熱性を向上させる技術を提供しています。
トーカロの国内子会社には、日本コーティングセンター株式会社と株式会社寺田工作所があります。日本コーティングセンターは、PVD処理加工を行い、切削工具や金型に耐摩耗性を付与します。寺田工作所は、工作機械や精密機械部品の製造を手がけています。
海外子会社としては、東華隆(広州)表面改質技術有限公司やTOCALO USA, Inc.などがあります。これらの子会社は、中国や米国で溶射や溶接肉盛を主体とした表面改質加工を行い、半導体製造装置部品のメンテナンス事業を展開しています。
その他の事業として、トーカロはTD処理加工、ZACコーティング加工、PTA処理加工を行っています。これらの技術は、自動車用金型やポンプ部品などに耐摩耗性や耐食性を付与するために用いられています。インドネシアやタイの非連結子会社も、現地での表面改質加工を担っています。
経営方針
トーカロは、溶射加工を中心に表面処理加工を専門とする企業であり、技術革新と環境への配慮を重視しています。同社は、好不況に左右されない「全天候型経営」を目指し、キャッシュ・フローとバランスシートを重視した経営で財務体質の強化を図っています。また、顧客のニーズに迅速に応える「問題解決型企業」としての地位を確立し、高品質な皮膜を提供する「研究開発主導型企業」を目指しています。
トーカロの中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)では、2030年に向けたビジョンとして「人と自然の豊かな未来に貢献する」を掲げています。ESGを重視した成長を通じて企業価値の向上を図り、高品質・高付加価値の商品を提供することをミッションとしています。特に、環境問題の深刻化やICTの進化、資源不足といったメガトレンドに対応するため、新商品開発と新市場開拓を推進しています。
成長戦略の重点領域として、「人」と「環境(自然)」の2つを掲げています。「人」への取り組みでは、半導体や医療、農業などの分野をターゲットにしています。「環境(自然)」への取り組みでは、エネルギーや素材、輸送分野に注力しています。これにより、既存事業の拡大と新事業領域の開拓を進め、持続的な成長を目指しています。
トーカロは、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、環境負荷低減に取り組んでいます。2030年度までに温室効果ガスの排出量を2013年度比で46%削減することを目標に掲げ、省エネやリサイクルの推進を行っています。また、DXを活用したスマートファクトリー化を進め、ものづくりの高度化と品質向上を図っています。
同社は、強い財務体質の維持を目指し、自己資本比率70%程度の維持やROE15%を目標としています。また、配当性向50%を目指し、安定した配当を行う方針です。技術優位性の維持・向上に向けた設備投資や研究開発費の継続的な投資も行っています。これにより、企業価値の向上と持続的な成長を実現しようとしています。