アトムリビンテックJP:3426

時価総額
¥55.1億
PER
19.9倍
建築金物・家具金物を主力とするファブレスメーカーの有力企業。ATOMブランドで企画・開発・販売、ハウスメーカーや住宅設備機器メーカー等を販売先。中国とベトナムに子会社2社を設立。国内全域と中国・ベトナムで展開。

事業内容

アトムリビンテックは、建築金物や家具金物を中心とした内装用金物を「ATOM」ブランドで企画・開発・販売する企業です。同社は工場を持たず、外部の協力工場に生産を委ねる形で事業を進めています。

主要な顧客は全国のハウスメーカー、住宅設備機器メーカー、建材メーカー、建築金物店などで、これらへの製品販売が収益の中心です。同社は中国・ベトナムに全額出資の現地法人を設立し、協力工場の開拓や現地販売、日本向けの供給拡大を通じて収益基盤を強化しています。

事業は大きく建築金物と家具金物に分かれ、取手や丁番といった日常の内装で使う金具が主力製品です。同社は企画・設計・品質管理と販売に注力し、外部生産を活用して幅広い製品群を迅速に市場へ供給しています。

経営方針

同社は安定成長と市場優位性の維持を経営の基本目標としており、売上高・営業利益・経常利益を主要な経営指標に位置づけるとともに、自己資本比率の改善による財務基盤の強化を重視しています。工場を持たないファブレス型の事業モデルを採用し、取扱商品の80%以上を自社企画商品で占める独自の品揃えで差別化を図っている点が特徴です。顧客接点として東京の「アトムCSタワー」や常設ショールーム、年2回の新作発表会・内覧会、定期刊行の総合カタログなどを通じてブランド認知と販売網の拡充を目指しています。

同社は重点投資分野として商品戦略に注力しており、既存のオリジナル商品の再構成や一部集約化による顧客利便性向上を進めています。リフォーム・リノベーション需要や施設建築分野(店舗・事務所・教育・医療・福祉)への対応を強め、バリアフリーや安全性・利便性を備えたソフトクローズなど機能性商品の拡大を図ることで競合他社と差別化を図っています。品質面ではISO9001の取り組みを継続し、環境面でもISO14001の運用と2023年1月のSBT認定取得により環境負荷低減を目指しています。

新市場開拓では、ATOMダイレクトショップを軸に設計事務所や工務店などエンドユーザーの声を反映するマーケティングを強化し、提案型営業や流通ルート整備で販路を広げる計画です。海外展開ではホーチミンに全額出資の子会社「ATOM LIVIN TECH VIETNAM」を設立し、現地の建築展示会出展や協力工場の開拓、現地販売と日本向け供給の拡大を図ることで東南アジア市場の成長を取り込もうとしています。これらにより国内外での収益基盤多様化を進めることを同社は目指しています。

技術革新面では、受発注や会計管理などの基幹システムをクラウド型へ更新し、アナログとデジタルを融合したデジタル化(DX)を推進すると明示しています。施工現場での取り付け手順を示す動画やYouTube、ショールームビューなどのコンテンツ充実で顧客の利便性を高め、SNSを活用した情報発信で商品浸透を図る具体策を実行中です。環境配慮と業務効率化の両面で投資を進めることで、同社は持続的な競争力の向上を目指しています。