ハピネス・アンド・ディJP:3174

時価総額
¥14.3億
PER
-26.6倍
宝飾品・時計・バッグ等の製造販売とセレクトショップ運営の有力企業。輸入ブランド中心のジュエリーとオリジナルブランドh&dを展開。2019年に下取り・買取事業開始、2025年下期にヴィンテージ取扱開始。全国57店舗で展開。

事業内容

ハピネス・アンド・ディは、宝飾品、時計、バッグ・小物の製造・販売を手掛ける小売グループです。同社は「ハピネス」「GINZA Happiness」などの店舗を全国のショッピングセンターや商業施設で展開し、記念日向けの贈り物を中心に高級感のある店舗づくりを行っています。

同社の主要顧客は幅広い年齢層の一般消費者で、店舗での小売販売が収益の中心です。加えて、自社工房で製作するジュエリーの卸売や直営店・ECでの販売、下取り・買取りやインポートブランドのヴィンテージ(リユース)販売も収入源として拡大しています。

事業は大きく宝飾品、時計、バッグ・小物のラインに分かれ、輸入ブランド品やダイヤ、金・プラチナなどの地金商品まで幅広く扱っています。オリジナルブランド「h&d」の展開に加え、AbHeriは自社でデザインから製作まで行う高付加価値ジュエリーを展開し、2023年設立のNo.は新ジュエリーブランドと販路拡大に取り組んでいます。同社は全国のショッピングセンターを中心に57店舗(2025年8月末時点)を展開しています。

経営方針

ハピネス・アンド・ディは、売上高の拡大と収益力の回復を最優先に据えた成長戦略を掲げています。同社は客数や客単価、営業利益の向上を経営指標として重視しており、構造改革や新規事業の立ち上げで早期の黒字化を目指しています。具体的には前期に17店舗、当期に14店舗の不採算店を閉鎖するなどコスト構造の改善を進め、2025年8月末時点で全国に57店舗を展開しています。財務面では現金及び預金689,512千円を確保するとともに、千葉銀行との当座貸越契約(極度額400,000千円、借入実行残高100,000千円)や、2025年11月4日の新株予約権・無担保普通社債の発行により資金調達を図っており、同社は財務基盤の安定化も目指しています。

重点投資分野は宝飾と地金商品、ヴィンテージ(リユース)品、そして自社オリジナルブランドの強化です。同社は2023年に宝飾品製造・販売のAbHeriを完全子会社化し、製造から販売まで一体で行う「製販一体化」によって利益率改善を図っています。AbHeriは銀座・大阪・福岡の直営3店舗体制に拡大しており、大阪店を関西の旗艦店に育成する計画です。また、ヴィンテージ商品の取扱いを下期より開始し、仕入れ体制と自社買取りの整備で利益率向上を狙うなど、商品構成の見直しとMD(商品企画・仕入れ)の強化を進めています。

新市場の開拓では、既存のショッピングセンター中心の出店モデルから販路多様化を進めています。新設のNo.によるブランドローンチやポップアップ・催事での認知拡大、AbHeriの中国展開の本格化など、海外市場やイベント型販売を通じた販路拡大を狙っています。加えてネット販売の強化やイベント・催事による販売チャネル拡大を進めることで、インバウンドや地域特性に応じた顧客開拓を行い、収益基盤の多角化を図っています。

技術革新と業務効率化にも注力しており、同社は店舗のデジタル化を推進しています。商品を管理する電子タグの導入やABCシステムの導入で在庫管理と業務効率を高め、顧客情報の電子化と自社のネット販売の拡大でオムニチャネル化を進めています。これにより店舗スタッフが接客に専念できる体制を整え、接客力と提案力の向上を通じて顧客満足と再来店率の改善を目指しています。