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ビューティカダンホールディングスJP:3041
事業内容
ビューティカダンホールディングスは、生花を用いた祭壇や装花の制作・販売を中核とする企業グループです。 同社は葬儀向けの生花祭壇や供花、婚礼向けの卓上花やブーケなどの制作から設営まで一貫して手がけています。
主要な顧客は葬儀会社、結婚式場、そして生花小売店で、収益は制作・設営による売上と生花の卸売販売が中心です。 同社は集中生産や効率的な仕入れで在庫ロスを抑え、海外からの直接仕入れや冷蔵輸送を組み合わせて品質と供給の安定化を図っています。
同社の事業は大きく生花祭壇事業、生花卸売事業、婚礼装花事業、その他の事業に分かれています。 その他では葬儀に関する企画・コンサル、就労支援、農業、レストラン、肥料の製造・販売なども展開し、各事業間で仕入れ情報や顧客情報を共有して相乗効果を狙っています。
経営方針
同社は中期経営計画(2025年6月期〜2027年6月期)を通じてグループ収益力の強化とサステナビリティ経営の推進により企業価値向上を目指しています。具体的には資本効率を重視し、株主資本利益率(ROE)を重要指標と位置づけており、2025年6月期の目標ROEは12.3%に設定されていましたが実績は7.4%(前期5.2%)にとどまり、中長期ではROE15%以上を目指す方針です。同社は売上高経常利益率の改善にも注力し、資金効率化を図って戦略的投資と株主還元のバランスを取る考えです。
重点投資分野では、ホールディングス機能の強化と成長領域への集中投資を進めており、企業買収(M&A)による事業拡大を明確な手段としています。また人的資本の価値向上を重視し、人事制度の見直しや待遇改善、新卒と中途採用の強化で人材獲得・育成を図る方針です。業務効率化のためにはデジタル化(DX)を推進し、Web受注システムの開発や顧客管理システム(CRM)と連携した施工情報の集約・分析を実施することで、リードタイム短縮と利益率向上を目指しています。商品面では高付加価値の祭壇オプションや「花布団」など派生商品の販売強化で他社との差別化を図っています。
事業拡大の計画としては、既存の生花祭壇事業でのエリア拡大をM&Aや新規顧客獲得で進める方針で、特に関西・九州エリアのブライダル装花事業での取引拡大を目指しています。生花卸売では輸入商材のブラッシュアップや産地開拓で新商品を構築し、仲卸や商社のM&Aを通じた事業承継で基盤拡大を図ります。加えて熊本県八代エリアを中心とした生産力の増強や、ホテル内ショップを足がかりにした小売・ECや観葉植物のリース事業、アフターブーケや自動車販売会社向けノベルティなどの新たな収益源の育成にも取り組んでいます。
技術革新への取り組みでは、デジタル技術を活用した社会課題の解決を掲げ、葬儀関連サービス「@葬儀」の拡充や納骨堂化アプリ・参拝管理アプリの展開を進めています。環境面では廃棄花材の利活用や廃棄物削減を大学や研究機関と連携して推進し、環境配慮型商品や脱炭素への取り組みを進めることでSDGs対応を強化します。これらの施策により、同社は収益性の向上と持続可能な事業基盤の確立を両立させることを目指しています。