ツクルバJP:2978

時価総額
¥54.6億
PER
中古・リノベーション住宅流通プラットフォームの有力企業。オンラインメディアや自社エージェントによる売買仲介や定額リノベーションサービスを展開。自社開発のネイティブアプリや独自の取引データ活用で顧客体験を最適化、会員数55万人。連結子会社1社を擁し、日本国内中心に展開。

事業内容

ツクルバは中古・リノベーション住宅に特化した流通プラットフォーム「cowcamo」を中核に事業を展開している会社です。同社は物件情報を伝えるオンラインメディアと、自社エージェントによる売買仲介、定額パッケージを含むリノベーションサービス、自社企画商品の開発・販売を行っています。

主要な顧客はリノベーションを検討する住宅購入者や物件を売る売主、不動産事業者で、会員数は約55万人に達しています。同社の収益は売買仲介手数料やリノベーション斡旋手数料、自社商品の販売が中心で、広告収入は受け取っていません。

事業の特徴はテクノロジーとデザインを組み合わせて中古住宅の流通全体を統合している点です。同社は顧客管理やチャット機能を持つ専用アプリや業務支援システムでオペレーションを効率化し、蓄積した顧客・物件・取引データを活用してリノベーション企画や販売支援を行い、物件供給と収益機会を拡大しています。

経営方針

同社はcowcamoを中核に、会員約55万人のユーザーベースを起点に中古・リノベーション住宅市場での自律的成長を目指しています。目標は取引件数や取引あたり収益の拡大による売上総利益の成長で、直近の数値では仲介・付帯サービスの売上総利益を2024年の約24.9億円(2,493百万円)から2025年に約29.0億円(2,896百万円)へ引き上げる計画を示しています。対象市場は首都圏の中古マンション市場で約8兆円と推計され、同社はこの拡大市場で存在感を高めることを目指しています。

同社はデザイン力と技術を主要投資分野と位置づけ、メディアコンテンツ、撮影・取材による魅力ある物件紹介と、顧客管理や業務支援システムによるエージェントの生産性向上に重点投資しています。具体的には、査定や企画を支援する自社開発ツールや顧客データベースの活用、物件選定・記事制作の支援システム、エージェント向けの顧客管理ツールによる提案支援・応答自動化を進め、仲介手数料や自社企画商品の収益性を高めることで他社との差別化を図っています。

同社は首都圏内での営業エリア拡大と供給側との連携強化を通じて新市場を開拓することを目指しています。取り組みとしては、売主や再販事業者向けの企画・開発支援サービスの拡充、自社ブランドを用いた企画商品の横展開、エージェントのオペレーションモデルをパートナー向けに展開することで物件供給量と収益源を増やす計画です。またユーザー獲得ではデジタル広告の効率化を優先しつつ、費用対効果を見てテレビなどのマスメディア活用も検討する方針です。

同社は技術革新を競争力の中核と位置づけ、エンジニアやデータ分析人材の採用・組織整備に投資して開発体制を強化しています。具体策は、マーケティングの自動化、物件査定や物件選定の自動化、コンテンツ制作支援、顧客応答やエージェント割当の自動化といったシステム化で営業生産性の改善を図ることです。これらにより蓄積する物件・顧客・デザインデータを価値ある資産とし、適正な価格形成と買い替え頻度の向上を通じた市場創出を目指しています。