オプロJP:228A

時価総額
¥52.7億
PER
26.8倍
クラウドサービスの有力企業。帳票DXやoproarts、カミレス、ソアスクなどのクラウドソリューションを展開。Salesforceプラットフォームと密に連携し、2024年11月期のクラウド売上は2,007,844千円を計上。日本国内を中心に展開。

事業内容

オプロはビジネス文書の電子化とデータ連携を軸に、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するクラウドサービスを提供しています。データの抽出・加工や帳票出力を中心とした「データオプティマイズソリューション」と、サブスクリプションや販売管理を支える「セールスマネジメントソリューション」を主力としています。低コード/ノーコードやAIを取り入れ、現場で内製化しやすい仕組みを整えています。

同社の主要顧客は金融機関、行政機関、製造・小売など幅広い業界の企業で、サービスの多くはSalesforceのプラットフォームと連携して利用できます。収益は月額のクラウドライセンス収入が中心で、製品売上や保守、導入支援といった一時的な収入もありますが、売上の大半がストック型の定期収入のため比較的安定しています。

事業の製品ラインは二つのソリューション群に分かれており、データオプティマイズ側では帳票出力の「帳票DX」や従来サービスの「oproarts」、電子申請の「カミレス」、現場向けの「帳票DXモバイルエントリー」などを提供しています。セールスマネジメント側ではサブスク管理の「ソアスク」や有形商材向けの「モノスク」を展開し、見積・契約・請求などの業務連携と帳票機能を組み合わせて顧客の業務効率化を支援しています。

経営方針

同社は国内のDX市場での存在感を高め、定常収入であるストック売上を拡大して収益基盤の安定化を図ることを成長の最優先目標としています。具体的には期末ARRやARR成長率、解約率、ストック売上比率といった指標を重視し、これらを改善することで中長期的な業績拡大を目指しています。市場環境としては、IDCの予測で第3のプラットフォーム市場が2024年に25兆1,484億円、2028年に31兆169億円に達すると見込まれており(年平均成長率6.6%)、同社はこの成長分野で自社ソリューションのシェア拡大を目指しています。

同社は「データオプティマイズソリューション」と「セールスマネジメントソリューション」を重点投資分野と位置づけ、帳票のデジタル化やサブスクリプション管理で差別化を図っています。帳票のフローやフォーマットを変えずに電子化して既存業務に組み込むことで、現場が使いやすい価値を提供する点を強みとし、帳票DX、カミレス、oproarts、ソアスク、モノスクといった製品群の機能強化を進めています。加えてローコード/ノーコードやAIを取り入れて現場での内製化を促し、導入コストと運用負荷を下げることにより競合との差別化を図っています。

同社は今後、エンタープライズ市場や業種別の深掘りで顧客基盤を拡大する計画です。金融機関、地方自治体、製造業などでの導入実績を踏まえ、製品開発、マーケティング、営業、コンサルティングへの投資を強化して大手顧客の獲得を狙い、信頼性向上のための広報やパートナー連携も推進します。またSalesforce依存のリスクを軽減するため、SAPやSmartHRなど他プラットフォームとの連携体制を整備し、必要に応じて借入やエクイティによる資金調達、シナジーのある企業との連携やM&Aも検討しています。

同社は技術革新を継続的投資の柱と位置づけ、AI(生成AIを含む)やモバイル対応、クラウド連携を通じて製品の付加価値を高める取り組みを進めています。具体的にはデータ抽出・加工の精度向上、API連携強化、ユーザーインターフェースの改善、新機能や新サービスの定期的な投入を計画しており、併せて情報セキュリティや内部統制の強化、人材採用と育成による運用力の底上げにより、高い継続率と顧客満足を維持することを目指しています。