E・JホールディングスJP:2153

時価総額
¥307.3億
PER
8.9倍
総合建設コンサルタント事業の有力企業。企画・計画、設計、診断、発注者支援、補償コンサルタント、測量・地質調査など一貫サービスを展開。関係会社24社、連結子会社14社体制。純粋持株会社によるグループ経営管理体制。日本・タイを中心に展開。

事業内容

E・Jホールディングスは純粋持株会社で、グループ全体の経営管理を行っています。同社グループは官公庁が発注する公共事業を中心に、企画から設計、調査、施工監理に至る総合建設コンサルタント業を主力にしています。

主要顧客は国や地方自治体、公共インフラを管理する事業者で、受託した公共事業案件からのコンサルティング料や調査報酬が収益の中心です。案件は個別の契約ベースが基本ですが、維持管理や診断など継続的な業務も収入源になっています。

事業は大きく建設コンサルタント業務と調査業務に分かれており、建設コンサルタント業務は企画・計画、設計、構造や地盤の診断、発注者支援や補償業務などを含みます。同社の連結子会社は測量や地質調査、建築設計や社会資本の維持管理など分野ごとに専門性を持ち、案件の上流から下流まで幅広く手掛けています。

経営方針

同社は長期ビジョン「E・J‑Vision2030」と、それを前倒しで実行する第6次中期経営計画「E・J‑Plan2027」を掲げ、事業規模の拡大と企業価値の向上を狙っています。連結業績目標として、2028年5月期に売上高500億円、営業利益59億円、親会社株主に帰属する当期純利益39億円、自己資本利益率(ROE)10%以上を設定しており、売上目標には新たなM&Aによる寄与は織り込んでいません。短中期では「拡大・進化」の期間と位置付け、安定した収益基盤の確保と成長投資の両立を図ることを目指しています。

重点投資分野としては、環境・エネルギー、自然災害・リスク軽減、都市・地域再生、インフラメンテナンス、公共マネジメント、デジタルインフラソリューションの6分野を挙げており、これらに資源を集中します。具体的には上流の企画・設計から構造・地盤診断、維持管理までを一貫して提供できる点を差別化軸とし、連結子会社が持つ測量や地質調査、建築設計といった専門性を活かして継続的な維持管理契約や診断業務を拡大することで、受託型収益と継続収益の両面を強化します。

新市場開拓では国内の国土強靭化関連需要を取り込むとともに、海外での事業拡大を明確に打ち出しています。アフリカでは道路・橋梁・給水インフラ、アジアでは環境・防災分野、東南アジアでは廃棄物分野でのトップシェア獲得を狙い、現地拠点の整備やパートナー企業との連携で案件の現地化を進めます。グループ内外の連携も重視しており、エイト日本技術開発やタイのダイナミック社、EJECタイランド、東京ソイルリサーチなどとの協業でノウハウと営業力を結集し、必要に応じて選別した事業提携や企業の買収も活用して市場参入を加速させる計画です。

技術革新については、製品・技術の開発、業務プロセスの改善、他社との共創という三つの柱でバリューチェーンを強化します。具体的施策としては、外部の技術ベンチャーやIT・人工知能(AI)企業との共同開発による差別化サービスの創出、基幹システムの高度化による業務効率化、ドローンや遠隔診断、予知保全といったデジタルツールの導入による点検・診断の高度化を進めます。また温室効果ガス削減やSBT認証などの環境目標、人権や人的資本への投資、ガバナンス強化を併せて実行し、持続可能な成長と株主価値の向上を図る方針です。