タスキホールディングスJP:166A

時価総額
¥403.5億
PER
8.3倍
純粋持株会社として不動産開発・運用と不動産テックを手掛ける有力企業。IoT対応新築投資用レジデンス、クラウドファンディング「TASUKI FUNDS」、不動産向けSaaS「TASUKI TECH LAND」を展開。初期費用30万円、月額プランは5万円〜10万円を提示。東京23区を中心に展開。

事業内容

タスキホールディングスは純粋持株会社としてグループ各社の経営管理を行い、不動産の企画・開発・販売や不動産関連の金融・コンサルティング、業界向けのデジタルサービスを展開しています。主力はIoT設備を標準装備した投資用レジデンスの開発販売に加え、不動産クラウドファンディングや私募ファンドの組成・運用、物件のバリューアップ販売などです。

同社の主要顧客は個人・機関の投資家、不動産オーナーや不動産事業者、中小企業などで、収益は物件売買の差益や開発収益、ファンドやクラウドファンディングの手数料、融資の利息、コンサルティング料、SaaSの定額料金など複数の柱から構成されています。自社開発物件をファンドに組み入れるなど、資産の組み替えでバランスシートを調整する手法も活用しています。

同社は事業を大きくLife Platform、Finance Consulting、SaaSの三領域で営んでおり、Life Platformでは「タスキsmart」や「ルネサンス」シリーズの新築IoTレジデンスや既存物件のリファイニング、物流施設の企画販売、オーナー向け資産コンサルティング、TASUKI FUNDSによる小口投資商品を手がけています。Finance Consultingは中小の不動産事業者向けの不動産担保ローンを柔軟に提供し、SaaSではZISEDAIがTASUKI TECH LANDやTOUCH & PLANなどの不動産業務を効率化するクラウド製品や生成AI-OCRなどの機能を提供して業界のデジタル化を支援しています。

経営方針

同社は中長期的にグループシナジーを原動力とした急拡大を目指しています。具体的には2033年9月期に連結売上高2,000億円を目標に掲げ、当面の中期目標として2027年9月期に連結売上高1,000億円、EBITDA136億50百万円、営業利益131億50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益72億円を計画しています。主要な業績指標としてはLife Platform事業の棚卸資産残高、SaaS事業の導入企業数やARR(年間定常収益)、EBITDA成長率を重視しており、これらで達成状況を定量的に管理していく方針です。

同社は重点投資分野として不動産の企画開発・販売を軸とするLife Platform、金融商品やローンを含むFinance Consulting、そしてクラウド型の定額サービスであるSaaSの三領域に資源を集中しています。差別化策としては新築投資用レジデンスにIoT設備を標準搭載する商品設計や、自社開発物件をファンドに組み入れる資産組替えスキーム、SaaS製品による業務効率化を組み合わせた垂直統合モデルを採用し、物件開発から運用・販売・金融までを一気通貫で提供することで競合との差別化を図っています。

新市場開拓や事業拡大はM&Aを軸に迅速に進める計画です。同社は既存の不動産DXや小口投資商品(TASUKI FUNDS)に加え、物流施設の企画販売や新たなサービス領域への参入をM&Aで補完・拡大する方針で、2027年9月時点でSaaS導入企業数470社、ARR12億円、Life Platform事業売上987億円といった中期数値目標を定めています。こうした施策により市場シェアの拡大と収益構造の多層化を図り、景気や金利環境の変化に強いポートフォリオを構築しようとしています。

同社は技術革新を成長の基盤と位置づけ、グループ横断のDX戦略研究部を設置してプロダクト開発と業務改革を推進しています。具体的には不動産業務を効率化するクラウド製品や生成AIを用いたOCR、IoTを標準搭載したレジデンスといった技術を事業に組み込み、機能拡張や精度向上を通じてSaaSの顧客獲得と顧客単価の向上を図ります。またセキュリティ対策やシステムの安定性確保、ESG対応(カーボンニュートラルやまちづくり支援)にも投資し、テクノロジーで事業の信頼性と持続可能性を高める方針です。