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ショーボンドホールディングスJP:1414
事業内容
ショーボンドホールディングスは純粋持株会社としてグループ全体の経営戦略を立案し、子会社の業務執行を管理しています。同社グループは公共構造物の補修・補強工事を中心に、工事で使う材料や継手といった製品の製造・販売を事業の主力としています。
主要な顧客は自治体や公共事業の発注者、そして民間の建設事業者で、公共インフラの補修工事が収益の中心になります。同社は施工による工事収入と、工事用材料などの販売収入という二本柱で収益を上げています。
事業は大きく国内建設と製品製造・販売に分かれており、国内建設部門は複数の連結子会社が公共構造物の補修・補強工事と関連製品の販売を担っています。製造部門は工事用材料やメカニカル継手の生産を行い、グループ内向けと外部向けの両方に販売しています。海外向けには海外子会社や提携先を通じて建設事業や資材販売を展開しています。
経営方針
同社は「中期経営計画2027」を掲げ、事業性と社会性を両立させながら持続的な成長を目指しています。具体的には2027年6月期に売上高1,000億円、営業利益220億円、当期純利益156億円、ROEは約14.5%を目標としています。国内で加速するインフラの老朽化や防災投資の追い風を受け、大型工事の受注拡大を経営の主軸に据え、全社最適のリソース配分で増収増益トレンドの継続を図る計画です。
同社は従来の工事用材料と継手の製造・販売を核に、化学技術と土木技術を融合した新材料・新工法の開発で差別化を図っています。製品販売と施工収入の二本柱により収益を確保するとともに、収益性と効率性を重視した経営を進めています。国内では道路分野以外に鉄道を中心とした周辺領域のメンテナンス需要を取り込み、売上の多様化を進めている点も特徴です。
海外展開ではビジネスモデルの再構築を進め、単なる材料販売から技術協力や施工管理まで提供範囲を広げる方針です。すでにインドやエルサルバドルで試験施工を行い、現地での施工実績を積むことで大型案件の受注につなげようとしています。株主還元面では配当性向を目標60%に引き上げ、総還元性向を90%とする一方、自己株式の取得を3年で合計150億円程度、政策保有株式の削減で約30億円の売却を見込むなど、財務政策で株主価値の向上を図っています。
技術革新への取り組みとして、同社は「技術のショーボンド」を掲げ、化学と土木を組み合わせた研究開発に注力しています。新材料や新工法の実用化に加え、デジタル活用(DX)による生産性向上と働き方改革を推進し、現場の工期短縮や品質管理の高度化を進めます。人的資本への投資や非財務資本の活用を通じて、技術力を事業競争力に結びつけることを目指しています。