JOHNSON & JOHNSONJNJ

時価総額
$4974.2億
PER
医療・ヘルスケア製品の研究開発・製造・販売の最大手。DARZALEXを中心とした医薬品とACUVUEやTECNISなどのメドテック製品を展開。2024年にADC技術の臨床段階バイオ企業を約20億ドルで、IVL技術を持つ企業を335ドル/株で買収。約138,100人の従業員で世界各地に展開。

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企業概況
196文字)
業績概況
139文字)
テーマ
2項目)
ブランド
4項目)
ライバル企業
5社)
同業種の日本企業
5社)

事業内容

JOHNSON & JOHNSONは総合ヘルスケア企業で、処方医薬品、医療機器、消費者向けの健康関連製品を世界中で研究・開発・製造・販売しています。主力にはがん治療薬などの医薬品や、心血管・整形外科・眼科向けの医療機器、日常用のヘルスケア製品が含まれます。

同社は主に病院、診療所、医師、薬局や卸売業者を顧客として製品を供給し、一部は一般消費者向けの販売チャネルも持っています。収益は製品販売が中心で、単一の医薬品が売上に占める割合が大きくなることがあり(例:DARZALEXが2024年の売上の約13%を占めました)、地域別や製品別の構成が業績に影響します。

同社の事業は大きくInnovative Medicine(処方医薬品)とMedTech(医療機器)の二本柱に分かれています。Innovative Medicineは免疫学、感染症、神経科学、腫瘍学、循環器・代謝領域などを対象とし、MedTechは心血管、整形外科、手術用機器、視力ケア(コンタクトや眼内レンズ)などの製品ラインを展開しており、各製品は卸売や病院、専門クリニックを通じて販売しています。

経営方針

同社は研究開発主導の成長を追求しており、持続的な売上拡大と新製品の商業化を重視しています。直近の2024年には世界売上高が888億ドル(前年比+4.3%)に達し、米国売上が503億ドル(同+8.3%)とけん引しました。新製品(過去5年投入)が2024年売上の約25%を占めていること、研究開発費が172億ドルに達していることからも分かるように、同社は新薬や医療機器の開発投資で成長を図っています。同社はこうした投資で「複雑な疾患を予防・治療・根治する」ことをめざしています。

同社は重点投資分野を二本柱で進めています。医薬(イノベーティブ・メディシン)では免疫、感染症、神経、腫瘍、肺高血圧や心血管・代謝領域に注力し、医療機器(MedTech)では循環器、整形外科、手術用機器、視力関連を強化しています。差別化の施策としては巨額の社内研究開発に加え、外部の買収・提携を積極的に活用しており、2024年はAmbrx(買収額約20億ドル)、Shockwave(1株335ドルで取得)やProteologix(約8億ドル)など主要買収を実行し、同年の事業買収合計は約151億ドル(現金差引)に上りました。加えて、知的財産の保護や既存品のライフサイクル延長で競合との優位を維持しています。

同社は新市場開拓と事業拡大を買収とオーガニック成長で並行して進めています。ポートフォリオ拡充の一環として、2025年に発表したIntra-Cellular Therapies買収(約146億ドルの提案)など大型案件により中枢神経系領域を強化する計画で、これらは手元資金と社債発行で賄う予定です。米国内での成長が顕著な一方、国際売上は2024年に385億ドルとやや横ばいだったため、同社は地域ごとの製品投入や規制承認取得、現地パートナーとの連携で海外市場の取り込みを図る方針です。

同社は技術革新を経営の中核に据え、データサイエンスや機械学習(AI)を研究・製造・営業の各領域で活用しています。具体的には合成生物学に基づく抗体薬物複合体の開発(Ambrxの技術取得)や、血管石灰化治療技術(Shockwave)など領域特化型の技術導入を進めています。さらに、従業員教育や社内プラットフォームによる技能向上、臨床開発・規制承認の加速化を通じて製品化までの期間短縮を目指しています。同社はAI導入やデジタル化がもたらす利点を取り入れつつ、規制やデータの安全性にも配慮してイノベーションを推進しています。