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JACK HENRY & ASSOCIATES INCJKHY
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事業内容
JACK HENRY & ASSOCIATES INCは、銀行や信用組合向けに業務の中核となる基幹ソフトウェアを提供しており、それを自社の私設クラウドまたは顧客のオンプレミス環境で稼働させるサービスを展開しています。口座処理や決済の代行、画像処理、顧客向け明細の印刷・送付、さらには導入支援や継続的な保守・サポートといった運用サービスも手掛けています。
主要な顧客は地域銀行や信用組合などの金融機関で、収益は主に年間のソフト保守料やアウトソーシングによる口座単位の処理料、取引ごとの決済手数料といった継続的な収入が中心です。加えてシステム導入時のコンサルティングや教育、ハードウェア再販などの一時的な収入があり、長期契約によって安定したキャッシュフローを確保しています。
事業は大きくコア銀行システム、信用組合向けコア、決済・補完ソリューション、および非コアの専門製品に分かれます。コア系は複数の機能別基幹システムを提供し、補完製品群は口座開設、デジタル/モバイルバンキング、決済、不正検知、データ分析、画像処理など百を超える機能を持ち、近年はPayrailzの買収でクラウド型のデジタル決済能力を強化しています。
経営方針
同社は長期的な利益成長と株主還元の両立を目指しています。2024会計年度の連結売上高は約22.16億ドル、純利益は約3.82億ドルであり、安定したキャッシュフローを背景に配当と自社株買いを継続しています。取締役会は2024年8月に1株当たり0.55ドルの四半期配当を宣言しており、年間配当は2024会計年度で1株当たり2.14ドルでした。株主還元の一環としては、取締役会承認の3,500万株分の買戻し枠があり、これまでに約3,137万株を買い戻しています。
同社は製品群の強化と差別化に重点投資を行っています。研究開発費は2024会計年度で約1.48億ドル、資産計上したソフトウェア投資は約1.67億ドルに達しており、コアの勘定系や周辺サービスを年に一度以上体系的に強化することで既存顧客の更新・拡張を狙っています。銀行・信用組合向けの統合的なプラットフォームに加え、銀行向けに140以上、信用組合向けに100以上の補完製品をそろえ、導入後の一元的なサポート提供や長期契約(コア処理のアウトソースでは概ね6年契約)を差別化要因としています。
新規市場や事業拡大については、選択的な買収と自社開発の組み合わせで拡張を図る計画です。代表的な事例として、クラウドネイティブでAI・機械学習機能を備えたデジタル決済事業者Payrailzを2022年8月に約2.30億ドルで買収し、決済領域の機能拡充とデジタルチャネルの強化を進めています。海外売上は現状では全体の1%未満にとどまるため、まずは既存の金融サービス市場内でのクロスセルと補完製品の外販を優先しつつ、適切な条件の案件があれば外延的な市場拡大も検討するとしています。
技術革新への取り組みはクラウド基盤構築と新技術の実装を両輪にしています。自社のプライベートクラウドは複数物理拠点で冗長化されたデータセンター上に構築され、オンプレミス向けにはハードウェア再販から運用までを含むサービスを提供しています。さらに生成系を含む人工知能や機械学習の適用を慎重に進めており、Payrailzのような買収先の先進技術を取り込みつつ、セキュリティや規制対応、内部統制を重視して製品化・運用化を進める姿勢を明確にしています。