JANUS HENDERSON GROUP PLCJHG

時価総額
$67億
PER
グローバル資産運用の大手。株式・債券・マルチアセット・オルタナティブのアクティブ運用商品を展開。2024年10月にVPCを買収(55%取得、対価1億1400万ドル)。北米・英国・欧州・日本・アジア・豪州で展開。

事業内容

Janus Henderson Group plcは独立系のグローバル資産運用会社で、株式や債券など主要な資産クラスを中心に顧客の資産を運用しています。同社は投資信託や年金向け運用、機関投資家向けの専用口座など多様な運用商品を通じて長期的な投資成果の実現を目指しています。

主要顧客は年金基金や保険会社、機関投資家、金融機関、個人投資家などで、顧客から預かった資産残高(AUM)に対する管理手数料が収益の柱になっています。同社は運用成績に応じた成果報酬も受け取り、これが収益の増減要因となることが多いです。

事業は株式、債券、マルチアセット、オルタナティブの四つの運用能力を中心に構成しており、上場投資信託(ETF)やプライベートクレジットなどの私募商品への展開も進めています。同社は各国に拠点を持ち、地域ごとの販売チャネルと商品ラインアップを活かして機関・個人双方に運用・助言サービスを提供しています。

経営方針

同社は「Protect & Grow」「Amplify」「Diversify」という三つの戦略を軸に、持続的な有機的成長と機会に応じた買収による成長を両立させることを目指しています。2024年末時点の運用資産残高(AUM)は3787億ドルと前年から13%増加し、年間売上は24.7億ドルで18%増、営業利益率は23.0%から26.1%へ改善しました。加えて同社は株主還元を重視しており、2024年に1株当たり合計1.56ドルの配当を支払い、買い戻しも積極的に行って6,035,388株、約2.08億ドル分を取得しています。こうした財務面の改善を通じて、資本効率を高めながら安定した成長を目指しています。

同社の重点投資分野は株式、債券、マルチアセット、オルタナティブ(代替投資)の四つの運用能力で、アクティブ運用に強みを置いています。投資成果は堅調で、運用資産のうちベンチマークを上回った割合は1年で65%、3年で72%、5年で55%、10年で73%と報告されており、特に債券は1年で91%がベンチマークを上回っています。差別化策としては、地域ごとのニーズに合わせた現地展開と現地語の投資資料提供、厳格な運用プロセスと業績連動の報酬体系により、機関投資家から個人投資家まで幅広い顧客基盤に対応している点を挙げています。

新市場開拓と事業拡大では、機動的な買収を通じて商品ラインと販路を拡げる方針です。2024年には欧州の上場投資信託(ETF)事業を有するTabulaを買収し、さらに私募クレジットを手がけるVictory Park Capital(VPC)を取得してプライベート市場の能力を強化しました(VPC取得では約1.14億ドルの現金対価に加え株式や業績連動の追加対価が設定)。同社は世界各地に27の拠点を持ち、グローバルな販売チームを通じて地域特性に合わせた展開を進めることで、既存の運用商品からの資金流入を拡大することを目指しています。

技術革新への取り組みとしては、投資評価・価格決定やリスク管理、販売チャネルのデジタル化に継続的に投資しています。公正価値の算出や非上場資産の評価ではデータ管理体制と外部ベンダーの監督を強化し、価格決定委員会によるチェックや年次の第三者デューデリジェンスを実施しています。サイバーセキュリティについては情報セキュリティ部門が最高執行責任者や最高技術責任者に定期報告を行い、重大リスクは取締役会のリスク委員会へエスカレーションする体制を整えています。これらにより、運用品質と顧客サービスの安定化を図ることを同社は目指しています。