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INGLES MARKETS INCIMKTA
事業内容
INGLES MARKETS INCは米国南東部を中心にスーパーマーケットを展開する小売企業です。同社は店内での食料品販売を主力とし、生鮮食品や加工乳製品の処理・包装を行うほか、店舗併設の燃料スタンドを運営しています。環境面では再利用可能な買物袋や省エネ設備の導入など、持続可能性に配慮した取り組みを進めています。
同社の主要顧客は家庭向けの買い物客で、日常の食材や生活必需品を購入する個人消費が収益の大半を占めています。燃料販売や店内加工品、ベンダーとの取引に伴う販促収入も売上に寄与しており、小売取引が収益の中心になっています。
事業は生鮮・日配、一般食料品、非食品(日用品)、燃料販売のセグメントで構成されています。同社は北カロライナに本社と流通センター、乳製品加工・包装施設を持ち、店舗ネットワークと物流を通じて商品供給と在庫管理を行っています。
経営方針
同社は売上と収益の両面で安定成長を確保することを目指しています。直近の通期売上高は約56.4億ドル(FY2024の総収益5,639,609千ドル)で、税引前利益は約1.395億ドルを計上しており、成長を支えるためにFY2024には約2.11億ドルの設備投資を実行しました。株主還元も重視しており、クラスA株は四半期ごとに1株0.165ドル(年0.66ドル)、クラスB株は1株0.15ドル(年0.60ドル)の定期配当を継続して支払う方針を示しています。なお、発行済株式は(2024年12月24日)クラスAが14,545,750株、クラスBが4,448,626株で、2024年3月30日時点の非関連株主保有時価総額は約11.3億ドルでした。
重点投資分野は店舗戦略と生鮮商品強化で、同社は鮮度や健康志向の商品群に注力することで差別化を図っています。FY2024では生鮮(Perishables)売上が約14.4億ドル、日配や冷凍を含む食料売上が大きな比重を占めており、店舗近接のミルク加工・流通設備や地域密着の物流網を活かして供給面の優位性を確保しています。加えてエネルギー効率の高い照明・冷蔵設備への更新やリサイクル推進など、運営コストと環境配慮の両面で投資を行い、競合との差別化を図っています。
新市場開拓と事業拡大は既存の南東部集中型ネットワークの強化と店舗の改装・出店によって進められています。同社は新規出店や既存店の拡張・改装で成長を目指しており、FY2024の小売向け資本支出は約2.02億ドル、2025年度に履行予定の建設契約残高は約890万ドルです。また、従来の店舗販売に加え、オンライン受注や宅配、店舗受取(ピックアップ)といった多様な購買手段への対応を進めることで、顧客接点を拡大し収益機会を増やす計画です。なお、地域集中のリスクは認識しており、ハリケーンなどの自然災害(2024年のハリケーンHeleneでは約3,490万ドルの減損計上)に対する事業継続力の強化も重要な課題と位置付けています。
技術革新については、情報セキュリティと業務効率化を両輪で進めています。同社はエンタープライズ向けの脆弱性管理プラットフォームとインシデント対応体制を導入しており、IT資産の脆弱性スキャンや迅速な修復を実施しています。同時に、在庫管理や供給業者対応、キャンペーン管理を効率化するシステム投資を進め、ベンダー手当や販促の精度向上を図っています。これらの取り組みはFY2024の約2.11億ドルの設備投資に含まれる技術・設備更新と連動しており、同社はテクノロジーを用いて運営コストの低減と顧客体験の向上を目指しています。